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ビッグ・バンド~サド・メル オーケストラ [音楽(ジャズ)]

 ビッグバンドを初めて生で聞いたのは、サド・ジョーンズ、メル・ルイス、ジャズオーケストラでした。1975年11月16日、場所は中野サンプラザです。

 サンプラザ中野さんではなくて、東京中野区役所の隣にある横から見ると三角形の形をした建物です。ここの正式名称は、全国勤労青少年会館と言ったそうですが、主にコンサート会場として有名でした。

 日曜の夕方だったのですが会場の入り口はどこからこんなに人がたくさん来るのかと思うほどの盛況でした。私の席はA席で一階でしたが例によって後ろの端の方、少しピアノの音が聞こえにくいことがありました。

 その頃の私は、ハード・バップ一辺倒だったので、ビッグバンドのレコードさえほとんど持っていませんでした。楽団とかビッグバンドと言うのだから、クラシックのオーケストラのようなものを想像していたら、メンバーは広いステージに15名ほどしかいなくて少し拍子抜けしました。

サド・メルオーケストラ.jpg

 サド・ジョーンズは、有名なハンク、エルビンのジョーンズ3兄弟の真ん中です。かつては、カウント・ベイシー楽団でコルネットのソリストとして、また作編曲者として活躍していました。メル・ルイスはスタン・ケントン楽団でドラマーをしていました。

  その二人ががっちり組んで起こした双頭ビッグバンドのサド・メル楽団は、このときで結成10年あまり経っていたようです。衰退していたビッグバンド人気の中で、エリントンやベイシー楽団とはまた違った魅力があったようです。

 当日、リーダーのサド・ジョーンズはコルネットの演奏と、指揮と司会を兼ねていました。もう一人のリーダー、メル・ルイスはもちろん(ds)です。

 (tp)がジョン・ファデス、セシル・ブリッジウォーター、 ジム・ボッシー
 スティーブ・ファータードの4名
 (tb)がビリィ・キャンベル、アール・マッキンタイヤー、ディヴ・テイラー
 ジャニス・ロビンソンの4名
 (as)がジェリー・ドジオン、エディ・ヒックスの2名
 (ts)がフランク・フォスター、グレッグ・ハーバート、ペッパー・アダムス
 それに、(p)ウォルター・ノリス、(b)ジョージ・ムラーツと言う顔ぶれでした。

サドメル.jpg 演奏の初めはなぜかあまり盛り上がりませんでした。途中、司会のいソノてルヲ氏が出てきて「皆さん、いい演奏を聴きたかったら、もっと拍手をして盛り上げないといけませんよ。アンコールの時にはスタンディングオベーションをしなさい」など言うようなことを言いました。

 妙な話ですが、舞台の袖で聞いていて目に余ったんでしょうね。でも効果はあったらしくて観客はその後は拍手や手拍子を熱心にはじめました。いソノ氏の言葉が日本語だったので、わけを知るよしもないプレーヤーたちはその後、美事に熱演を展開してくれました。

 ジョン・コルトレーンで有名な、「ジャイアントステップ」ではテナーのフランク・フォスターとグレッグ・ハーバートが張り切って吹きまくっていましたし、それまで静かなソロを聴かせていたリーダーのサド・ジョーンズがコルネットで乗りまくりました。

 ソロを取るときは、ミュージシャンたちは定位置から楽器を片手に提げてステージ中央に出てきてソロを取ります。

 圧巻は、ソリと言うのですか、いっせいにトランペットセクションやサックスセクションが立ち上がって、颯爽と演奏をはじめるところです。そのあまりのかっこうよさ、一糸乱れぬ動きと音、背筋にぞくっと走るものがありました。この辺がビッグバンドの醍醐味なんでしょうか。

 この頃サド、メル楽団は毎年のように来日していたらしく、前年にはボーカルに丸刈り頭で有名なディ・ディ・ブリッジウォーターを連れてきていたらしいのですが、このときはファニタ・フレミングという無名の女性でした。

 

サドメル来日.jpg

 このレコードは残念ながら前年に来日したときのライブ録音です。開演を知らせるブザーの音と、故いソノてルヲ氏のアナウンスが入っています。

 メンバーは、ピアノにローランド・ハナ、あとトロンボーンなど一部違っていますが、ノリノリの演奏は、当日を彷彿とさせます。

 

 


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tempo

いろいろ有名なアーチストのライブに行かれてますね。羨ましい。私がジャズを聴き始めた頃には殆ど有名どころは他界しているか引退しているかで聴きたいアーチストが既に居ませんでした。今はブラッド・メルドーとラーシュ・ヤンソンは聴いてみたいですね。
by tempo (2008-03-22 00:00) 

空兵ーS

tempoさんこんばんは
この頃は、ジャズもクラシックも外タレラッシュの時期で、凄い組み合わせの日程が重なってるなんてことがあったりしましたね。お金がいくらあっても足りませんでした。
生の音、それからライブの臨場感は得難いものですね。もっともこの頃の私はジャズミーハーで、有名タレントと同じ空気を吸っていると言うだけで、嬉しかった気がします。
by 空兵ーS (2008-03-23 22:37) 

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