灯が恋しくて [音楽(ジャズ)]
9月末は連日、霧のようなこぬか雨が降り続き、この時期には思いもよらない寒さでした。ある方のブログにこんな日は明かりを灯してみたくなるとありましたが、私も久々に音楽と真空管アンプの灯を灯してみたくなりました。
聞いたレコードは、以前にヤフオクで買ったまま聞いていなかった中古レコードでTHE DEDICATION SERIES/VOL.1 THE BOPMASTERSと言うシリーズの2枚組レコードです。
2枚組の中身はSONNY CRISS/KENNY DORHAMと言う組み合わせです。Impulseから、1978年に発売されたもののようですが、どういう経緯でこの二人のミュージシャンをセットにして発売されたのか輸入盤なのでさっぱりわかりません。
SONNY CRISSの盤は「AT THE CROSSROADS」と言う名前で単独で出ているようです。A面一曲目がいきなり「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」でした。おお、ここにもあったかという感じです。
ソニー・クリスの泣きが入った突き刺すようなアルトはこのアルバムでも健在です。OLA HANSENというあまり知らないトロンボーンも独特の味わいを出しています。しかもピアノがなんとウイントン・ケリーでした。
この盤は1959年の録音です。1959年というと、ウイントン・ケリーは「ケリー・ブル-」を録音した年でもあり、またマイルスグループに参加していた時期とも重なります。いちばん乗っていた頃だろうと思います。
夏の間、トランジスタアンプにセレッション3と言う組み合わせでCDやipodの音楽ばかり聞いていました。久し振りに真空管アンプとJBLでアナログレコードを聞くと、やっぱり何か違いますね。訴えてくる迫力のようなものでしょうか、細やかなニュアンスでしょうか。
KENNY DORHAMの方は、2枚組の2枚目なのでC、D面となっています。このクインテットにはJ.R.MONTROSEも参加しているのですが、やはり全編、ドーハムの魅力たっぷりのアルバムに仕上がっています。とくにD面2曲目、「DON’T EXPLAIN」は、マイルスとはまた違った抒情感たっぷりのミュートプレイで切々と迫ってきます。
このアルバムは単独で「KENNY DORHAM and The Jazz Prophets Vol.1」としても発売されているようです。
試聴はさわりだけですがこちらで出来ます。録音は1956年、ハードバップたけなわの頃でしょうか。
「灯が恋しくて」、ハードバップたけなわの時代を真空管アンプで聴く。
時代にも恋しますね。
by mwainfo (2008-10-05 11:30)
mwainfo さん
50年代、かろうじて生を受けていましたが
童謡や唱歌しか知らない子供でした。
ノスタルジーなのか憧憬なのか・・・
by 空兵ーS (2008-10-05 17:37)
今回もとっても勉強になりました。いつも素敵な記事をありがとうございます♪ ハードバップたけなわの時代、アメリカはまだ差別がハンパなく酷い時代ですから、そーいった背景も音に感じたりします
by FUCKINTOSH66 (2008-10-08 14:08)
FUCKINTOSH66さんへ
バップやハードパップの時代、多くのジャズミュージシャンが麻薬にむしばまれ、交通事故で亡くなっています。差別、低賃金による過酷な労働、そういった時代の影響が色濃かったのだと思います。
by 空兵ーS (2008-10-11 13:52)