among friends (再会) [音楽(ジャズ)]
このところ初夏を通り越して夏のようなお天気の日があったかと思うと、朝晩、急に冷え込んだり、日陰にいると肌寒く感じる日があったり、どうも不順なお天気が続いている気がします。
しかし、自然の方は不安定な天候にもかかわらず初夏のたたずまいをどんどん広げていっているようです。わが家の裏の休耕田は雑草の花で花盛りです。
ほかにもカラスノエンドウやヘビイチゴの黄色い花、それからシロツメクサが広い休耕田を埋め尽くしています。
さて、今日はアート・ペッパーです。
男前ですね。チェット・ベイカーと甲乙付けがたい。だからというわけでもないのですが、若い頃の私は白人ジャズミュージシャンの中で、例外的にビル・エバンスとアート・ペッパーだけ聞いていました。
アート・ペッパーの何が私を惹きつけたのか。艶のあるアルトサックスの音色、流れるように繰り出されるアドリブ、何より聞いていて気持ちが良くなる演奏です。
ところが彼は麻薬禍でジャズシーンから姿を消し、1974年に復帰します。私は復帰後の彼のジャケット写真を見て驚きました。もちろん歳も取ったのですが、それにしても「モダンアート」の男前の写真とは別人の変わりようです。
私が持っているペッパーのアルバムは、いずれも全盛期の頃のものばかりです。アルバム写真の印象がショックで復帰後のペッパーは聞く気になれませんでした。
でも、最近とみに晩年のバッド・パウエルやアート・ペッパーに興味が沸いたり、妙に聞きたくなると言うのは、私自身が歳を取ってきたからでしょうか。
中古レコード店やヤフオクで、アート・ペッパー晩年のアルバムをずっと物色していたのですが、なかなかこれといったものに行き当たらなかったのですが、ようやく出会うことが出来ました。
レコードもありますよという程度でしかない中古店の棚には、普段ジャズなど置いていないのにこれがありました。しかもなんと500円。500円ならはずれでもいいや、と買いました。「 among friends」です。白いジャケットのあちこちには染みが見えますが、あまり聞かれなかったのかレコード盤自体はきれいなものでした。
トリオレコード制作のアルバムで録音も良く、何よりペッパーが良かったのでこれは当たりですね。プロデューサーはトリオの人なのか日本人です。そのライナーノートによると、この日のペッパーは復帰後の演奏の中でもかなり調子が良いものだったそうです。
ウン十年ぶりにペッパーのアルバムに針を落として、最初に受けた印象はやはりアルトサックスの音色に全盛期の艶が無くて、ああこれが復帰後のペッパーの乾いた音なのかと思いました。でもしばらく聞いているうちに、同窓会で幼馴染に会ったときのように、私の耳がかつての聞きなれたペッパーの音に補正してしまうのか、乾いていながらも彼独特の艶と叙情が聞こえてくるような気がするのでした。
それより私には、全盛期の流れるようなアドリブのひらめきと冴え、軽やかさのようなものが、さすがに少し後退し、反対に叫びにも似た強い思いが加わっているような気がしました。
いずれにしても、アート・ペッパーとの再会は、その容貌の変化に受けたショックに比べて、ずっと好もしいものでした。そしてまた一枚、私のお気に入りのアルバムが増えた気がしました。
こんにちは
可愛い花たち♪
なによりも自然の花に囲まれた環境は素敵ですね。
アルトの詩人アート・ペッパーは癒されますね。
今月号のスイング・ジャーナルは彼の特集でした。
「ストレートな生き方ゆえに壮絶な彼の人生、劇的な
カムバックの後も正当な評価を与えたのは他でもない
日本のファンだった。そのことを心から誇りに思う。」
と書かれていました。チェット・ベイカーもそうですが、
どうしても破滅へと向かうアーティストが多いのもこの世界ですね。
by kasumi (2009-05-16 11:35)
「休耕田」というのが、ちょっと寂しいですね(^-^;)
by 駅員3 (2009-05-16 18:00)
いい買い物でしたね。ジャケットも素敵です。
アート・ペッパー、聴きたくなりました。
by なちゃ (2009-05-16 19:38)
kasumiさん
こんばんは
雑草の花たちは、皆、地味で小さいので
こうしてデジカメでクローズアップしてやらないと
見過ごされたり、踏みつけられたり・・・
今月号のスウイングジャーナルはアート・ペッパーの特集でしたか。
田舎なのでSJ誌お目にかかれないことしばしばです。
明日にでも捜してみようと思います。
実は、アート・ペッパーの生涯についてほとんど知らないのですが、
彼の奥さん、ローリー・ペッパーが「ストレート・ライフ」を書いているとか。読んでみたくなってます。
by 空兵ーS (2009-05-16 21:06)
駅員3さん
こんばんは
休耕田と便宜上書きましたが、正確には元休耕田で現在は畑地になってます。耕して少しは野菜作っているのですが、私の手に余る広さなので、残った部分が雑草の広場になっています。今は可愛い花たちが咲いていますが、そのうち丈の高い雑草に覆われるので、草刈りに追われるようになりますね。
by 空兵ーS (2009-05-16 21:18)
なちゃさん
こんばんは
アート・ペッパーのファンは私だけと思いたいのですが、実は日本人にかなり人気があるのだそうです。彼のアルトの音色、フレーズのどこかに、何か日本人に訴えるものがあるんでしょうね。
by 空兵ーS (2009-05-16 21:19)
このアルバムは内容は好きなのですが、どうしてもベースの音だけは馴染めないです。復帰後のアルバムは何枚か聴きましたが復帰前のほうがやはり好きですね。
by tempo (2009-05-16 22:23)
tempoさん
こんばんは
確かに、ベースはふにゃふにゃですね。
寄せ集められたサイドメンには問題有りですね。
マイルスのリズムセクションを従えた
「ミーツ・ザ・リズムセクション」あたりの完成度と比べるのは
少し無理がありそうです。
by 空兵ーS (2009-05-16 22:42)
こんにちは(^-^*)/
空兵-Sさん、大変失礼いたしました(^_^)
世界的に食料自給率が非常に低い日本で、政府の減反政策など、気になることもあり、件のコメントとなりました(^-^;)
by 駅員3 (2009-05-17 11:17)
駅員3さん
こんばんは
本当に山間部などに行くと、放置された田んぼをたくさん見かけます。
しかし、農業の経験が少しある身としては、よくこんな所で農業をしていたなと思うこともあります。昔の人たちの労力に頭が下がります。
これからは食べていける農業にならないと、自給率の回復もままならないのではないかと思います。
by 空兵ーS (2009-05-17 19:56)
こばんは、プリウスです。
先週、「+イレブン」が入手出来ました。
大編成の中でもリズミカルなアートペッパーが聴きごたえあり
お気に入りが1枚増えました。
最近知ったのですが、学生時代に買った石黒ケイの
アルバム「アドリブ」にアートペッパーが参加していたんです、
74年復帰となると復帰後ですね。
それにしても可愛らしい花たちですね、隣に座っておにぎり
食べたくなりました。
by プリウス (2009-05-17 21:29)
プリウスさん
こんばんは
kazumiさんに教えられて今月号のスウイングジャーナルの
アートペッパー特集を見ました。復帰前の全盛期でも思ったよりたくさんのアルバムがあって私が知っているのはほんの一部、「+イレブン」も持っていません。せめて全盛期のアルバムはある程度揃えたいところです。
石黒ケイさんのアルバムへの参加は何かで読みましたが、そのレコードをお持ちとは、貴重ですね。
写真はアップしませんでしたが、今はシロツメクサが花盛り、この草花の座布団はなかなか座り心地は良さそうです。
by 空兵ーS (2009-05-17 21:53)
nice! ヾ(*´∪`*)oc<【。゚・+:.・ァリガトゥゴザィマシタ・.:+・゚。】
ニワゼキショウですか!
散歩してると 道端でよく見かけて
綺麗だな~って眺めるんです。
名前がわかって 嬉しいですw
by AI (2009-05-18 20:51)
カタバミってこんなに可愛い花なんですねぇ。知らなかったぁ。
アート・ペッパー、むかーし、友達が彼についての本、自伝?を借してくれたことがあって、その中でも音楽活動を中断しているときはほぼ薬物中毒の治療の時だったって書いてあった記憶が。この時代は、音楽家でも一般の人でもそういった状態の方々が多かったんでしょうねぇ。良い悪いのヒトコトでは言えないようなねぇ。
by FUCKINTOSH66 (2009-05-19 13:38)
AI さん
こんばんは
nice、コメントありがとうございます。
何気なく咲いている道端の花たちも
名前が分かると、親近感が沸いてきます。
毎年同じ頃に咲くので、その花を見るたびに
今年も春が来たとかもう初夏だなとか
四季の移ろいに彩りを与えてくれます。
by 空兵ーS (2009-05-19 20:50)
FUCKINTOSH66さん
こんばんは
カタバミは野草の中ではなかなか輪郭のくっきりした個性のある花ですね。葉っぱの一枚が美事にハート型してます。
アート・ペッパーの生涯は、麻薬におぼれて長期間演奏活動の中止に追い込まれたという事くらいしか知らなくて、彼がそのほかどんな生涯を送ったのか、興味がありますね。サッチモの自伝でも古本でしかなかったので、アート・ペッパーの本、あるのかどうか。
by 空兵ーS (2009-05-19 21:07)