オルトフォンVMS20E MKⅡ [オーディオ]
一昨日でしたか、しとしと雨が、夕方から翌朝まで降り続いて、久々に大地の奥の方まで潤いました。気温も昼間動くとさすがにまだ汗ばみますが、朝晩は夏の格好をしていると寒く感じるほどです。
家の裏の桜の木は、早い紅葉と落葉、それに暑さのせいか大量発生した毛虫のせいで、枝に残っている葉っぱが残り少なくなってきました。その毛虫を狙って、ツツィ、ツツィと聞き慣れたさえずりで、山からシジュウカラがやってきています。何度かカメラを構えたのですが、なかなかシャッターチャンスに恵まれないまま、逃げられてしまいました。
今日はオルトフォンのカートリッジです。オルトフォンと言えば、なんといってもMCカートリッジが有名ですが、種類が豊富な上、トランスとの相性などもあって相当奥が深そうですし、またお金もかかりそうです。
オルトフォンのMCカートリッジでレコードを聞くというのは、わたしのオーディオ生活にとっても一つの夢なのですが、今回はとりあえずお安いところで、オルトフォンのMM(正確にはMI)カートリッジ、しかも中古でのお話です。
このカートリッジのことはほとんど知らないまま、値段が安かったことと、オルトフォンということだけで落札しました。発売時期は1978年、価格は25,000円。当時そこそこ人気があったカートリッジだったようです。ちなみに同じシリーズにVMS10E、VMS30Eがあり、数字の大きい方が値段も高くなっています。
今回も純正シェル付きなのでそのまま指定針圧の1gに調整して、レコード盤に針をおろしました。それにしても1gとは、1970年代後半、すでに軽針圧時代に突入していたんですね。
期待通り柔らかく豊かな響きがスピーカーから出てきました。でも次の瞬間、あれ、どこかおかしいと思ったら、右チャンネルからしか音が出ていませんでした。
調子に乗って、安いカートリッジばかり落札していたら、とうとう不良品を捕まされてしまったのでしょうか。この商品返品可だったので、冷静に対応すればよかったのですが、つい焦ってあちこちいじってしまいました。
まず接触不良を疑って、針を抜き差ししてみます。その次にリード線を疑い、最後にはヘッドシェルも交換してみましたが改善されませんでした。
全く音が出ないならともかく、片チャンネルは音が出ているのであと少しに思えて、あれこれといじっているうち、音が出ている右チャンネルまで、極端に音が小さくなってしまいました。こうなってしまうと、もう返品もできません。
全ては後の祭りです。ただ、一旦火が付いた思い、なかなか鎮められません。片チャンネルだけでしたが、ほんの少し聞いたVMS20E MKⅡの音がやたら魅力的に思え、どうしてもちゃんとした音で聞きたくなってしまいました。
もう一度、ヤフオクで同じものを落札して、同じ失敗を繰り返したくないので、オークションより少し値が張りますが、安全確実な中古ショップから入手することにしました。
待つことしばし、中古ショップから届きました。30年前の中古品、ボディは錆だらけで私が落札したカートリッジの方が綺麗なくらいでした。しかし、音はちゃんと両チャンネルから出ました。
仕切りなおして聞いたオルトフォンVMS20E MKⅡ、抱いていたオルトフォンのイメージを裏切らないものでした。このカートリッジ、どちらかというとMCに近い音なのではないでしょうか。なにより音楽の奏で方が上手で、歌うところは表情が豊かに、弾むところはテンポよく跳ねて、ジャズでもクラシックでも音楽を楽しく聞かせてくれるところに感心します。
どちらかというと、クラシックの方がより優っているような気がします。ジャズはスピード感やエネルギッシュさより、しっとり聴かせるタイプなのかなと思います。
エラ&ルイ
なぜかこのカートリッジでは、エラではなくサッチモに焦点があたりました。サッチモの歌声がグイグイと押し迫ってきて驚きました。
試しに、ヤフオクで落札した方のカートリッジに付いていた針を付け替えてみると、しっかり音が出たので、針ではなくカートリッジが故障していたことがわかりました。ショップで買ったのより半額近く安かったので、中古の交換針と純正のシェルを買ったと思えば納得出来る気がします。
それにしてもカートリッジをいろいろ交換していて気づくことは、レコードによって千差万別だということですね。期待して聞くと思ったほどでなかったり、逆に何も期待しないでかけたレコード、えっ、こんな音だったの、こんな演奏だったのと思わされたりすることがありますね。
今回聞いた中では、ハンプトン・ホーズの「オールナイトセッション1」が一番、新鮮に聞こえました。ハンプトン・ホーズのピアノは甘く叙情的で、ジム・ホールのギターが軽快に弾みます。
暑い暑いと言っているうちに、9月も半ば過ぎ、来週はもうお彼岸です。雨の降り方が細いしとしと雨になって、この歌が似合う季節になってきたようです。
私もレコードプレーヤーを引っ張り出して聞きたくなりました。
確か納戸に二台眠っているはず
by 駅員3 (2010-09-17 21:34)
駅員3さん
こんばんは
2台もお持ちなんですか。
駅員3さんなら、なんとなくすごいプレーヤーを
もっておられるような気がします。
一台だけでも復活、期待しています。
by そらへい (2010-09-17 22:36)
こんばんは~♪
「いよいよ秋到来ですね! 」と思ったら、たった1日で
真夏日が復活してしまいました^^; でも朝夕は大分
凌ぎ易くなりましたね。秋の夜長が待ち遠しいです。
レコード鑑賞や読書に最適なシーズンですから^^
by yukky_z (2010-09-18 00:51)
近頃CDばかり聞いてました、レコード聞きたくなってきました、
そらへい さんみたいに違いまではわかりません。
by y-tanaka (2010-09-18 06:12)
私もいつかオルトフォンのカートリッジで聴いてみたいと思ってますがなかなか手が出ません、SPUとかになるとアームから替えないといけないので更に難しそうです、、、
by tempo (2010-09-18 16:20)
涼しくなってきたのでそろそろプレーヤーを繋げて聴いてみようと、
昔のカートリッジを引っ張り出しているところです。
そうそうエンパイアーのカートリッジ、400TCでした。
ところが針がありません。(涙)
オルトフォンも一つ出てきました、安い物でしょう。
どれも聴きこんだ針なので鳴ってくれると良いんですが。
by stone-9 (2010-09-18 17:17)
yukky_zさん
こんばんは
まだ平年に比べると気温高めだそうですが、
この間までの気温が気温だったので、比較の問題で
涼しく感じてしまいますね。
夏の疲れに気をつけながら、
楽しみの秋を迎えたいものですね。
by そらへい (2010-09-18 18:52)
y-tanakaさん
こんばんは
CDはCDの良さがあると思いますが、
たまにはレコードもいいものですよ。
手間もまた、楽しい でしょうか。
by そらへい (2010-09-18 18:55)
tempoさん
こんばんは
いつか、オルトフォンのMC聞いてみたいですね。
と言ってもSPUから現代のMCまでいろいろありますし、
値段も私のシステム全体以上しそうなのもあります。
物理的、技術的、金銭的にクリアしないといけない面が
たくさんありそうです。
by そらへい (2010-09-18 19:05)
stone-9さん
こんばんは
エンパイア400TCは、比較的新しいらしく
交換針は現在も販売されているようですよ。
でも、とりあえず手持ちのオルトフォンで聞ければいいですね。
かつて聴きこまれたご様子、他にも
面白そうなカートリッジが出てきたのではないでしょうか。
by そらへい (2010-09-18 19:12)
畑が耕しやすくなりましたね。
by しばちゃん2cv (2010-09-18 22:35)
エンパイア400TCの交換針、探してみます。
他にも数個出てきましたが、
試しながらお知らせしたいと思います。
昨日、衝動に駆られ繋げてみました。(笑)
プレーヤーも無事回り、音もヘッドホンでしたが聴けました。
やはりCDとは違いましたね。
長くなりました、詳しくは後ほど。
by stone-9 (2010-09-19 11:09)
私もオルトフォンには興味があります。
噂はちょくちょく聞きますからね。
でも、使っているトランスは
持っている高出力カートリッジに合わせてあるので、
トランスも一緒に。。。ということになりますね。
そのレコードに合ったカートリッジ探しって、楽しいですよね。
まあ、ジャングルに分け入るようなもんですが。^^;
by たいへー (2010-09-19 12:03)
しばちゃん2cvさん
こんにちは
あまり暑かったので、今年は秋冬野菜やめようと思ってましたが
このところ涼しくなってきたので、遅ればせながら
3畝ほど、種を撒いたり苗を植えたり。
by そらへい (2010-09-19 18:12)
stone-9さん
こんにちは
アナログ復活おめでとうございます。
勢いですね。次は習慣になるでしょうか。
stone-9さんの秋がより充実すると良いですね。
400TCの交換針は
http://store.shopping.yahoo.co.jp/komamono/aj0000654.html
でも手に入るみたいです。
by そらへい (2010-09-19 18:17)
たいへーさん
こんにちは
トランスもカートリッジごとで適正があるのでしょうね。
本当に奥が深そうです。
DL102も、トランスなしでも聞けますが、トランスある方が良いそうです。
カートリッジを交換しただけでレコードが違って聞こえることがあるので
本当に、そのレコードに合ったカートリッジ選び、面白いですが手間も大変、まさしくジャングルですね。
オーディオそのものがそういう面を持っていますが、中古オーディオは
小遣い程度で遊べるところが良いところですね。失敗もありますが・・・
by そらへい (2010-09-19 18:24)
英語の学力が中学一年以下のあっしも この
♪セプテンパー イン ザ レイン
は 聴きとれやしたf(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2010-09-19 19:38)
ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは
私も聞き取れました。
他の単語も、ポツリポツリ
聞き取れますが、意味が・・・・
by そらへい (2010-09-19 20:02)
季節の内容を書いた後、少しばかり秋らしさを感じるこの頃です。
間違いなく季節は移り変わっていると喜びを感じています。
しかしながら、小生予算見直しの真っ最中、胃の痛い思いをしちょります(汗)
心の中で三連休、一日は音楽に没頭すると心に誓うも幻の如く
消え去る。
心落ち着き、じっくりと音楽や自然の音に耳を傾けたかった・・・。
そう言えば、最近レコード狩り行っていませんので、そろそろ足をはこびたいですね。
by ベルベット (2010-09-20 18:20)
こんばんは。
オークションは稀に不良品に当たる事があるので恐いですね。
僕は音楽機材なんですが、”50分の2”で不良品に当たりました。(涙)
ショックでした!(笑)
なので、高額な商品は手が出せません・・・
中古ショップで再チャレンジされる気持ち凄く分かります!!
by Studio-Oz (2010-09-20 20:59)
ベルベットさん
こんばんは
彼岸に入り、季節はどんどん秋めいているはずなのですが
今日も一日蒸し暑い一日、夜になってもこの時期とは思えない気温です。
せっかく休みがあっても、なかなか、音楽三昧、レコード三昧とはいきませんね。仕事をしているときにくらべて、休みの日の時間が経つのが速いのも不思議です(笑)
私も、今資金がカートリッジの方に流れておりまして、ただそれだけでレコードが買えないありさまです(笑)
by そらへい (2010-09-21 22:36)
Studio-Ozさん
こんばんは
オークション、時々ありますよね。
私もどちらかというと、それほどスリル味わうのが好きなタイプでは
無いので、あまり高額なものは、手が出ませんね。
>”50分の2”で不良品
なら、良い方ではないでしょうか。
音楽機材もそれほど一般的ではないので、値が張りそうですね。
by そらへい (2010-09-21 22:47)
はじめまして。先日はご来訪ありがとうございました。
オルトフォンって、MM型でも不思議とオルトフォンサウンドというか、MMらしくない音ですよね。なのでMCに近いというそらへいさんの感覚は正しいと思います。
また来ま~す!(*゜▽゜)ノ
by エルモ (2010-09-22 02:41)
エルモさん
こんばんは
たしかcoregarさんのところからお邪魔したのだと思います。
SL-1200mk2のリストアお見事ですね。
感心しながら他のページも拝見しました。
エルモさんが褒めておられたVICTOR QL-Y44F
実は私も以前使ってました。
それより古いMICRO MR-411を復活させたので
今は押入れに眠ってます。
by そらへい (2010-09-22 20:41)
こんばんは、プリウスです。
秋の夜長、ゆったりと音楽が楽しんでおります。
オルトフォンとなると高級カートリッジの代名詞と思っております。
録音に合わせてカートリッジ交換、アナログオーディオの醍醐味です。
by プリウス (2010-09-22 21:01)
プリウスさん
こんばんは
そちらは前線より北に位置したのでしょうか。
こちらは、今日も蒸し暑くて30度を超えていました。
夜、ようやく雨が降り始めました。
この雨が過ぎるとぐっと気温が下がるそうです。
そんなにいくつもカートリッジ持ってどうするのか?
レコードに合わせて、交換出来れば最高ですね。
カートリッジ交換もやってみるとそれほど億劫でもないですね。
by そらへい (2010-09-22 22:35)
30,000niceの記事には、心暖まるコメントありがとうございました
これからもよろしくお願いします
by 駅員3 (2010-09-23 08:19)
駅員3さん
こんばんは
私はもうすぐようやく2,000niceなのですが
30,000niceとは、私にとっては天文学的数字ですね。
こちらこそよろしくお願い致します。
by そらへい (2010-09-23 21:35)
小さなカートリッジ1つでも音が全然違ってくるんですねえ。昔、カートリッジメーカーに勤務していた友人がいたんですが、話していることが私にとってはチンプンカンプンで聞き流していたのを今になって後悔しています。もっとちゃんと聞いて勉強しておけばよかったなあ。
by FUCKINTOSH66 (2010-09-24 06:42)
FUCKINTOSH66さん
こんばんは
カートリッジメーカー勤務の友人がおられたとは、
さすが東京育ち、というところですね。
東中野に住んでいたとき、偶然
フィデリティ・リサーチ(FR)というマニアックなオーディオメーカーの
社屋を見つけて、嬉しくなり
その周りをなんども歩いたりしたことがありました。
小さな社屋でしたけれど・・・
by そらへい (2010-09-24 20:58)