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中古レコード [音楽(ジャズ)]

 ジャズのブログを立ちあげてみたものの、記事を書くのにけっこう苦労しています。ネタはそれなりにあるつもりなのですが、どういう風に展開していったらよいものか、迷います。

 一つの記事を書くと、関連してあれこれ思いつくことがあります。そのことをヒントにして、連想式の尻とりでしばらく繋いでいこうかと思います。

 先日は買いそびれたレコードのことを書きました。その時登場したのが中古レコード店でしたが、正直、このところ中古レコードにはまりかけています。

 きっかけは京都の街中を歩いていて偶然見つけた中古レコード店でした。ここで懐かしいレコードに再会をしました。世の中に中古レコード店なるものがあることは知っていましたが、レコードが生産されなくなってから入るのは初めてでした。

  もちろん中古レコード、インターネット通販で見かけることはあったのですが、そこで見るのと、実物のレコードを目の当たりにするのとは、大きな違いがあるようです。

 その証拠に通販では一度も手を出していないのに、その後何回か中古レコード店に通い、購入しています。やはりあの大きいサイズのジャケットに触れると、私たちの世代には強く訴えてくるものがあるのではないでしょうか。また多少手がだるくなりますが、レコード棚を前に、両手でジャケットを手繰っていく所作がなんとも言えません。

 

 先日は、京都の京極あたりをうろつきました。目立たないビルの片隅にいくつかの中古レコード店がありました。間違えてジャンル違いの店にも顔を出したりしながら、ネットで調べた店を数軒回りました。

 ある店を出たところで、知らない人から声をかけられました。よく見ると、私が回ってきた中古レコード店で何度か同席していた方のようです。
「次はどこへ行きますか」
 その方が笑いながら、言いました。私は、すでに知っている店は回ってしまい、ほかの店を知りません。その方が案内してくれることになりました。

 その方は、大阪から見えているそうで、ロックの中古CDを探しにきているのでした。大阪、京都の中古レコード店、ずいいぶん詳しいようでした。最近は中古レコード店が増えているのだそうです。

 彼の案内に従って、3.4軒の店を教えてもらいました。安い店、品揃えのよい店、色々ありました。すでに買った盤が後から行った店ではもっと安く売られていて、しまったと思ったりしました。

 その中で一軒だけ、ジャズ専門の中古レコード店がありました。フロア全部がジャズです。ここへ来ればだいたいのレコードと出会えそうでしたが、値段の方も他のお店より2.3倍高めでした。


 このとき、一軒の店で見つけたのが「ダイナ・ワシントン・ウイズ・クリフォード・ブラウン」です。例のマーキュリーのシリーズの一枚です。ほとんどクリフォード・ブラウン参加のアルバムは揃えているのですが、なぜかこの一枚だけ買っていませんでした。

 そのことは前から気になっていて、今となってはCDでしか揃えられないなと思っていたものです。しかし、今回中古レコード店で目的通り見つけることができました。棚の中のレコードを手繰りながら、目当てのレコードを見つけた時の歓びはまた格別です。どうもこの辺に、中古レコードにはまっていく秘密がありそうです。

 この盤の正確なタイトルはDina Jamsだそうで、レーベルにもそう刻まれています。あとからエマーシーが復刻させたクリフォード・ブラウンのシリーズの一枚で、新しくマスタリングされたものだそうです。売り出しの定価も先のマーキュリー盤より高くなっていました。

 家に帰って、針をおろします。ダイナ・ワシントンの歌声は、ちょっと癖があってかなりブラックの香り濃い独特の歌声です。しかし、聞き込むにつれその力強い歌声に圧倒されます。

 ウイズ・クリフォード・ブラウンと謳われていますが、ヘレン・メリルやサラ・ボーンの盤とは違うようです。ここではトランペッターが、ほかにクラーク・テリー、メイナード・ファーガソンも参加していて、クリフォード・ブラウンの出番はあまり多くありません。やはりレーベルのタイトル通り、Dina Jamsとして楽しめる一枚のようです。

 

 中古であれ、50年代、60年代のものであれ、私が出会って初めてレコード盤に針をおろすとき、それは私にとっては新譜になるのだと思います。今回も、まだ私が知らないクリフォード・ブラウンやダイナ・ワシントンと出会えたわけです。

 そうして考えると、若い頃、買い忘れ、買いそびれ、買い残しておいたこともまんざらでもないなと思えてきます。これら買えていなかったレコード達は、若かった自分から、うん十年のときを隔てて、歳を重ねた自分への贈り物のようです。


 


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yayoishibainu

おはようございます。。。
我家のレコードは9割以上が 中古です。
学生時代 神戸三宮で始めて中古レコードを購入。
以来30年 今は当然 中古ですが。。。
新品で購入したのも 殆ど廉価盤。
リアルタイムの収録盤で お気に入りのみ
新盤で入手しておりました。
中古レコードは状態が不安ですが
聴ければ良いと 割り切り
入手後は ジャブジャブ水洗いをしてから 
ターンテーブルに載せております。
空兵さんの仰られるとおり
レコードは お店で買うほうが楽しいですね。
近くの中古店も最近復活したので 再び寄るつもりです。
by yayoishibainu (2007-09-02 08:11) 

そらへい

こんばんは
当時は、廉価盤がブームのようになっていて、私も廉価盤多いです。輸入盤もいくらかあります。ともかく安い方を買ってました。中古店はときおり利用してました。不要なのを売って、別のに買い換えたりしてました。
今のところ、買った中古盤、状態はそう悪くありません。下手をすると私が持っている方が悪いくらいです。

中古店で、久し振りにレコード棚を前にすると、ときめくものがありますね。買ってビニール袋に入れてもらって持ち帰るときは、なんとも言えない歓びを感じます。

レコードの手入れは今試行錯誤中です。そのうちブログの記事にしようかと思ってます。
by そらへい (2007-09-02 22:23) 

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