レコードジャケットと「洋燈舎」 [マッチコレクション(ジャズ喫茶)]
連想つながりで、中古レコードからジャズ喫茶の話題へ今日は行きます。
京都の京極で中古レコードを漁っていたときに、「ダイナ・ワシントン・ウイズ・クリフォード・ブラウン」のほかに、もう一枚見つけたのがこのレコードでした。
ザ・グレート・ジャズ・トリオ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード
取り立てて捜していたわけではないのですが、ずっと心に引っかかっていたレコードでした。
東京に住んでいた昔、色んなジャズ喫茶を歩き回っていたのですが、高円寺南口、中央線の高架沿いを荻窪よりに少し歩いたところに「洋燈舎」というジャズ喫茶がありました。古いランプなどを飾ったこじんまりしたお店でした。
ここへ入ったとき、客は私一人でした。ぼんやりジャズを聴いているとあまりに暇だったのか、その店のマスターらしき人が声をかけてきました。
「どんな曲が好きですか」
ジャズ喫茶では静かにジャズを聴くものと思いこんでいたので、声をかけられて驚きました。しかも店の人からです。
「トランペットとかアルトサックスが好きです」
と答えたと思います。
で、その時、口ひげを生やしたマスターが「こんなのはどうですか」とかけてくれたのがこのレコードでした。
その後、このレコードを捜してみたのですが、見つかりませんでした。演奏者もタイトルも覚えてなくて、ただ、大リーグのピッチャーがマウンドで投球動作をしている写真しか手がかりがありません。サウスポーのピッチャーだったまで覚えているのですが。
それが今頃中古レコード店で見つかりました。私の記憶では、トランペットやアルトサックスが好きと答えたので、てっきりそう言った楽器の入ったレコードを紹介してくれたものと思いこんでいました。なぜかアルトサックスの演奏だったと思いこんでいたのです。
ところが、ジャケットのタイトルを見てみると「ザ・グレート・ジャズ・トリオ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」とあります。グレート・ジャズ・トリオと言うことは、ハンク・ジョーンズ、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスのピアノトリオです。
よく似たジャケットで勘違いしているのかと思いました。先の思いこみもありますし、グレート・ジャズ・トリオはマンハッタン・ジャズ・クインテットなどと同じようにかなり後から結成されたトリオと思っていたのです。
ザ、グレート・ジャズ・トリオはライナーノーツを見ると、1975年に初結成されたようです。このレコードは1977年に録音されています。そうするとあながちつじつまが合わないこともありません。その頃なら私はまだ東京にいました。たぶんマスターは私の好みに関係なく、新譜を聴かせてくれたのだと思います。
ターンテーブルに乗せて聞いてみましたが、アルトサックスと思いこんでいたくらいなので、ほとんど記憶はありませんでした。
この「洋燈舎」というジャズ喫茶も今はありません。後年上京の機会があったとき行ってみましたが、建物はそのままでほか音楽関係のお店に変わっていたように思います。
ここのお店の装置は
アンプ ラックス38FD
プレーヤ DENON DP-3000+グレース・プロ用+シェアーV75GⅡ
スピーカー JBL175、D130
と、当時個人でもぎりぎり揃えられそうな憧れの構成でした。
残念ながら、高円寺のほかのジャズ喫茶のマッチはあるのに、このお店のマッチは残っていませんでした。これは雑誌に載っていたお店の広告の切り抜きです。
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