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ジャケ買い [音楽(ジャズ)]

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 6月に入って咲き出したドクダミの白い花

 

  梅雨入りしたというのに雨がなかなか降りませんね。今年は空梅雨なんでしょうか。私は、梅雨の初めの頃のひんやりした雨の日が嫌いではないんです。音楽がしっとりと心に入ってくる気がして。 

 さて「大人買い」「衝動買い」と来ましたので、今回は「ジャケ買い」です。これで買いの三部作?は完結となります。

 「ジャケ買い」、つまりジャケットが気に入ってそれだけを根拠に買ってしまうことなのだと思うのですが、私達が若い頃は、そんな言葉はなかったように思います。ただ、CDよりもレコードの方が、サイズが大きいのでジャケ買いにはよりふさわしい気はします。

 私達の時代、言葉こそありませんでしたが、当時からジャケットが良いレコードは中身も良いとはよく言われていたことです。レコード選びに迷ったら、まずジャケットが良いものを選んでおけば間違いないなどと指南されていました。

 確かに、名盤と言われるものには、印象的なジャケットを持ったものが多いですね。思うままに取り上げてみてもビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」 、ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」ケニー・ドーハムの「静かなるケニー」、レッド・ガーランド「グルービー」などなど・・・

 ただ、この辺の有名なレコードになると、レコード店で目に触れる前に、書籍や雑誌で目にしていたり、友人のところで聞いていたりして、なかなか本当の意味でのジャケット買いにはなりにくいものです。

 そんな中、これはたぶん間違いなくジャケ買いだったろうと思うのが、マイルス・デイビス「スケッチ・オブ・スペイン」ですね。まだジャズを聞き始めの頃、ぼんやりとマイルスのレコードでも集めようかと思って、ほとんど知識のないままレコード店の棚で見つけました。

 情熱の国スペインを現す黄色と赤が配された画面は、燃える太陽の光と大地のようです。ジャケットいっぱいに広がっていながら塗りつぶしではなく、貼り絵のような粗いタッチでところどころ白が残っているところがいいですね。地平線を思わせる黒もアクセントになっています。

 画面右、黄色い面と赤い面が接するライン上に一頭の牛がいます。その牛を操る闘牛士のように左端にトランペットを吹くマイルスらしい黒いシルエットが立っています。

 

 

 ちなみにこのマイルスらしいシルエットのトランペッターは、スケッチ・オブ・スペインに登場してから後、数枚のレコードに登場しています。「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」「MILES DAVIS AT CARNEGIE HALL」「SEVEN STEPS TO HEAVEN」などです。どのジャケットもなかなかしゃれていると思います。

 肝心の演奏の方は、ちょっとハードパップとは趣が違って、ギル・エバンスのアレンジが勝ったものになっています。その中で、マイルスが例の叙情性溢れるトランペットでアドリブを展開していきます。そのマッチングが凄いですね。

 もともと「アランフェス協奏曲」は好きな曲でしたが、ジャズでやるとこんな風になるのかと思いました。当時、レコードの枚数があまりなくてよく聞いていましたが、枚数が増えてくるにしたがってあまり聞かなくなっていった一枚です。また、私のレコードは、手入れが悪かったせいもあって、スクラッチノイズの嵐、それもあまり聞かなくなった要因の一つかもしれません。

 


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コメント 25

駅員3

なるほど、三部作だったのですね(^^)
どくだみのはなも、こんな風に写真になると、清楚で綺麗ですね。
あー、そういえば、そうですね。
レコードをなんとなく見ていて、ジャケットが気に入って買ってしまったものも1枚や2枚ではありませんね。

by 駅員3 (2009-06-20 00:14) 

YUYA

最近はジャケ買いする余裕がないですが、
中身も良かったときはうれしいものですよね!
ぼくは最近はCDが多くなりました。
ipodなど持って余計に。
by YUYA (2009-06-20 00:51) 

ブラザーボブかきもと

実家にたくさんのレコードがありました(・∀・)洋楽と邦楽で竹田の子守唄なるジャケットが印象的でした☆
by ブラザーボブかきもと (2009-06-20 00:55) 

yas

ジャケ買いって気持ち分かりますね~
赤い大地に立つトランペッターと猛獣がリンクしているような感じがしました。
by yas (2009-06-20 07:46) 

SIRUBE

昔はジャケットと演奏がリンクしてましたよね
ジャケットを見ると口ずさんでしまいます
最近は少ないですね
by SIRUBE (2009-06-20 08:19) 

stone-9

アランフェス協奏曲、何十年ぶりに聴いたでしょうか。
レコードは持っていなかったのですが、
ジャケットはよく覚えています。
エアーチェックしたオープン リールでよく聴いていました。
その頃よく行っていた渋谷のジャズ喫茶で、
一度、リクエストをしたことを思い出しました。
by stone-9 (2009-06-20 08:55) 

bigryu

マイルスのこのアルバム好きです。
「死刑台~」も同様に完成品ですね。
by bigryu (2009-06-20 12:15) 

空兵ーS

コメント頂いた皆さんへ

niceはいただいているのに
なぜかコメントがゼロ
おかしいなとコメント設定の項目を見たら
「受付/承認後表示」になっておりました。
自分で変更した覚えはないのですが???
失礼致しました。
by 空兵ーS (2009-06-20 20:32) 

空兵ーS

駅員3さん
こんばんは

初めから三部作のつもりはなかったのですが、この辺で止めておかないと、「買い」を漁ってしまいそうです。
ドクダミ、独特の匂いを持っていますが、花は清楚できれいですね。
皆さん、それぞれお気に入りのジャケ買いアルバムがあるんでしょうね。

by 空兵ーS (2009-06-20 20:35) 

空兵ーS

YUYAさん
こんばんは

そうですね。音のきれいさとか、手軽さ便利さはCDとかipodが勝りますね。とくにながらで音楽を聞いたり、持ち運びなどにはCD、ipodですね。
私も時と場合によって、併用しています。
by 空兵ーS (2009-06-20 20:38) 

空兵ーS

ブラザーボブかきもとさん
こんばんは

レコードと銀塩カメラはどこか共通するところがあるような気がします。
厚みとか暖かみのようなところでしょうか。
by 空兵ーS (2009-06-20 20:41) 

空兵ーS

yasさん
コメントありがとうございます。

このレコードを買った頃は、マイルスに強い憧れがあって、このジャケット
よけい惹きつけられました。もちろん、彼のトランペットを聞いて更に。
by 空兵ーS (2009-06-20 20:44) 

空兵ーS

SIRUBEさん
こんばんは

SIRUBEさんのプロフィール画像の「ケルン・コンサート」のジャケットもジャケ買いしたくなるようなデザインですよね。私は「facing you」を持っていましたが、このレコードが出たときはほとんどジャケ買いの勢いで買ったように覚えています。
by 空兵ーS (2009-06-20 20:48) 

空兵ーS

stone-9 さん
こんばんは

オープンリールデッキで録音ですか。アナログ機器は、すぐイメージが浮かび上がるところがいいですね。大きな操作レバーや映写機のように回るリールなど・・・
渋谷のジャズ喫茶、私もちょくちょく行っていました。名前はおおかた忘れてしまいましたが、今はもう、ほとんど残っていないのでしょうね。
by 空兵ーS (2009-06-20 20:54) 

空兵ーS

bigryuさん
こんばんは

そうですね。この頃前後して「死刑台のエレベーター」を買ったような気がします。抒情性と言うことでは、死刑台の方が、もっとありますね。しばらく聞いていないので、今度聞いてみます。
by 空兵ーS (2009-06-20 20:57) 

なちゃ

オトナ買いも衝動買いもジャケ買いも、音楽ファンのささやかな楽しみですよね。
by なちゃ (2009-06-20 21:51) 

空兵ーS

なちゃさん
こんばんは

新しいレコードやCDを買ってきて、袋から取り出し、プレーヤーにかけるときの感触が溜まりませんね。そうやって考えると、今の音楽ダウンロードは少し味気ないでしょうか。
by 空兵ーS (2009-06-20 22:14) 

FUCKINTOSH66

私事で恐縮ですが、ジャケ買い、レコードの時代にはよくしてました。忘れられないはじめてのジャケ買いレコードは、Chet Baker Plays and Sings だったんです。タイトルのフォントがカッコよくって、モノクロ写真がコラージュっぽく配置されてて、ちょっと可愛いイラストなんかもあって、一目惚れで。JazzのJの字も知らずに即買いでした(笑)もちろん音も大好きになりました。

この当時、デザイン学校に行きながらバイトしてたのが主にレコードジャケットのデザインをてがけてるデザイン事務所だったので、ジャケットについて興味津々で。このマイルスのジャケみたいに、タイトルとアーティスト名が画面の半分よりも下にあるデザインって主流ではなく珍しかったんぢゃないかと思います。(昔はレコード屋さんでレコードを探すときにタイトルはなるべく上にある方がイイって考えがあったりもして)でもこのオレンジと赤の割合と、マイルスらしき人、牛の構図を考えると、この位置がベストですよねぇ。すごく間もカッコいいデザイン♪
長々と失礼しました。
by FUCKINTOSH66 (2009-06-21 07:07) 

空兵ーS

FUCKINTOSH66 さん
こんにちは

Chet Baker Plays and Sings
検索してみました。ほんとモノクロ写真のコラージュがしゃれてますね。ど真ん中の天使?のイラストが面白い。

レコードのジャケットデザインの事務所とはいいところでしたね。私もデザイン関係の会社に少しいましたが、そんな楽しい仕事は無かったですね。
確かにレコード店の棚と言うかボックスからレコードを見るとき、ことことと両手で引っ張りあげてみるのですが、客の立場からするとタイトルは上にあるほうが、便利ですね。指先だけで済みそうです。
レコードジャケットも、全体をポスターみたいに壁に貼って見せてくれると文字の位置の自由度も上がるのでしょうが。
一辺が30センチあまりの真四角のレコードジャケットは、デザインの面から見ても面白い存在だったのでしょうね。
by 空兵ーS (2009-06-21 18:58) 

kasumi

こんにちは
こちらは、昨年の猛暑とは違い、
寒い曇り空と雨、蝦夷梅雨と言うそうです。

「ジャケ買い」わたしも何枚かあります。
パット・メセニーの「Missouri Sky」のCDは
まさにジャケットの風景に魅せられて買いました。
中身はやはりその風景を思わせるもの・・・
いまでは、散歩に欠かせないアルバムの一枚です。

空兵-Sさんはマイルスがお好きでしたか・・・。
このジャケットはスペイン風ですね。
彼のジャケットでいえば「Cookin'」「Relaxin'」
のアートがいいですね。今は、ヴィーナス盤のような
写真アートが人気のようですが・・・・

by kasumi (2009-06-22 09:45) 

プリウス

こんばんは、プリウスです。

多数のコメント、多種多様で皆さんの表現力の豊かさに
気後れしてしまいます。

「ジャケ買い」の意味を知ったのはつい最近ですが、
学生時代に買ったジャズのレコードはほとんどジャケ買いです。
見直してみると、演奏者の顔写真のジャケが多いのと
すべて「和ジャズ」(この言葉も最近知りました)でした。
お気に入りは中本マリさんの「中本マリⅢ」です。
これからの「ジャケ買い」には懐に余裕が無いと出来ません。
学生時代のバイト代が懐かしい。

by プリウス (2009-06-22 20:06) 

空兵ーS

kasumiさん
こんばんは

梅雨がないと言われる北海道にも蝦夷梅雨と言うのがあるんですね。
こちらは昨日あたりからようやく梅雨らしくなって、クーラーが効いた車から降りると眼鏡が曇るほどのものすごい湿気です。

「Missouri Sky」
確かに、中身と違わないジャケットですね。
良い演奏には必ずと言って良いほど、素敵なジャケットがつきものなのかもしれませんね。

初めて買ったジャズのレコードにMILESが入っていました。「ラウンド・ミッドナイト」それからですね。いずれにしてもジャズの中で、MILESは避けて通れませんね。
Relaxin'もMILESの中では、ジャケ買いしたアルバムだったと思います。演奏と変化とともに、ジャケットも変化していって、エレクトリックを使い出した頃から、ジャケットのデザイン画もシュールになっていった気がします。
by 空兵ーS (2009-06-22 20:17) 

空兵ーS

プリウスさん
こんばんは

昨日あたりから、西日本にもようやく雨が降り出して、蒸し暑さも半端でなくなってきました。
私がジャズを聴き始めた昔は、「ジャケ買い」「大人買い」「和ジャズ」と言った言葉が存在しませんでしたね。何より、今のように誰もが発信できるような環境がなくて、一部の音楽誌やオーディオ誌からの情報を一方通行で受けるだけでした。
確かに、「大人買い」も「衝動買い」も「ジャケ買い」もお金に余裕がないと出来ないですね。学生時代の方が、金回りがよいというのは、皮肉なことですがあり得ましたね。
by 空兵ーS (2009-06-22 22:33) 

su-nya

ジャケ買い、LP(私が自分のおこずかいで買えるようになってから、すぐにCDに移行しました)ではなかったかな。いやCDでもなかったように思います。いやあったかも。
本は、本屋、古本屋ですぐにやっちゃいましたね~ひところ。

最近、新宿の紀伊国屋書店でやっていたまくらフェア、本の「闇鍋」のようで行きたかったです…。

大人買い、衝動買いの3部作だったのですね!!芋づる式に読まされます~
by su-nya (2012-10-01 22:08) 

そらへい

su-nyaさん
こんばんは

早速来て頂いてありがとうございます。
古いアナログ人間としては、ジャケットというとどうしてもレコードの方を
連想してしまうのですが、CDでもやはりジャケットというのでしょうか。
どっちにしても、サイズが大きい分、レコードの方がジャケ買いする
インパクトは強い気がします。
紀伊国屋書店のまくらフェア・・・一瞬紀伊国屋書店がピローを売ってどうするのかと思いましたが、確かにジャケ買いに近いですね。
立ち読みしての衝動買い、本屋の原点ですね。

by そらへい (2012-10-02 21:28) 

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