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再び還ってきたA3500 [オーディオ]

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       再び還ってきたA3500                            

 

 A3500は出力管をすべて交換して、再び還ってきました。中国製の真空管に変わって、mkbさんが推薦、用意してくれた出力管はEL34/E34L JJ ペア2本 中パワー指定* P真空管 です。

 EL34(6CA7互換)は真空管の中ではもっともポピュラーなもののひとつだそうです。A3500オリジナルの松下管のほかにも、ロシア管など色々あるそうですが、有名なビンテージものはやはり高価です。ただ、この真空管は今も生産されているものがあるそうで、mkbさんの話ではスロバキアのJJは手に入れやすく値段もそこそこで、音もよいと言うことでした。

 JJ管、4本合わせて1万円ほど、松下管の4分の1です。しかし、それでもこれは予定外の出費です。予算が浮いたと思って買ってしまったLUXのチューナー代、ここへ来て堪えました。

 

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 こうして見ると、真空管が音楽の砦を守って立つ傭兵のように見えます。

 

 それでは再度還ってきたA3500を聞いてみましょう。新しい真空管はエージングが必要だそうですが、少ししただけです。そんなに長い間待ち切れませんでした。後は、聞きながらエージングを済ませていこうと思っています。

  初めて聞いたその瞬間からして、これは音が良さそうだと思えました。クリアになった音の印象は前回も感じたものでしたが、今回はその度合いがもっと深まった気がします。音が前よりしっかりしていてかつしなやかです。オーバーホール出すまでのA3500とは、別のA3500になって還ってきたようです。音の品質が数段上がりました。

 聞き込んでいくと、低音も厚みを出していますし、人の声の温かみを感じますが、やはり高い音がきれいで艶やかです。ダイナミックレンジがどうのこうのと言う話ではないのですが、耳に素直にすうっと入ってきます。

 ピアノなどはトランジスターアンプで聞き慣れた耳には、別の楽器のように聞こえることがありました。良い悪いは別にして、真空管でしか聞けない音でしょうか。

 音のきれいさ、柔らかさにぴんと来てクラシックのレコードやCDを何枚かかけてみました。何かで読んだのですが、EL34という管はクラシックに合うと書かれていました。

 思った以上にチェロやバイオリンなどの弦楽器が優しく柔らかく聞こえました。今までチェロやバイオリンなどがどうしてもきつく聞こえることがあって、私はそれをスピーカーのせいと思っていたのですが、違いましたね。

 

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 それと、これまで新しく入れたスピーカーJBLセレッションを聞くたびに、スキャンダイナは駄目だな、古くなって寝ぼけてきたな、クラシック用にタンノイが欲しいななどと思っていたのですが、今回この還ってきたA3500でスキャンダイナA-25MkⅡを鳴らしてみると、美事に蘇りましたね。

 真空管アンプを聞くとき必ずかけるミルト・ジャクソンのバイブも倍音がきれいに出ていて、たっぷり堪能しましたが、私の記憶、思いの中にあるあの光の中で玉がコロコロ転がるイメージには、やっぱりもう一息です。それは私が記憶の中で、その音を何回も繰り返して増幅しすぎているからかもしれません。

 短い期間に聞いた中では、クラシックに比べるとジャズはまだはっとする表現にあまり出会ていないのですが、これからエージングが進み、いろんなレコードやCDをかけていくうちに、もっとよくなっていくのではないかなと思ってます。

 A3500が還ってきたので、LUXのチューナーT-550をこちらのシステムに繋いでみました。しばらくFMを聞いた感じでは、NHK-FMを聞く機会が多いことが分かりました。それでは、民放のe-radioに繋いでいるWL-550の出番があまりないことになります。たまに聞くくらいなら、チューニングダイアルを端から端まで回すのもいいかなと思い、どちらのチューナーもNHK-FMに合わせ、トランジスタアンプのシステムと真空管アンプのシステムに一台ずつ付けることにしました。

 A3500でWL-550を通してFMを聞いたときは、ああ、何という時間まで飛ぶのだと一瞬感動しました。その時私の部屋に流れ満ちたものが、かつて体験したずっと昔の記憶(いつとははっきり言えないのですが、すごく懐かしい時間と空間)が蘇ったかのような気がしました。

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 多少の紆余曲折はありましたが、オーバーホール、零さんが前回のコメントでおっしゃったように、して良かったなと思います。ただ、唯一失敗したなぁと思うのは、 この暑い時期にしてしまったことです。夜音楽を聴いていても、真空菅アンプのあたりから、熱気が立ち上がってきます。


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プリウス

おめでとう御座います。

EL34の紫の光がまるで宝石のようです。
真空管アンプのオーバーホールでスキャンダナまで
復活ですか!
本当に良かった。

by プリウス (2009-07-10 21:29) 

駅員3

素晴らしくリファインされてよかったですね[ひらめき]
blogを読んでいて、空兵-Sさんのリスニングルームにお邪魔したくなりました!
ぜひMJQを聞かせてください(^-^)!
by 駅員3 (2009-07-11 09:10) 

mwainfo

子供のころは、ラジオの組み立てに取りつかれた少年でした。
記事中に、「人の声の温かみ」とありますが、遠い日、かってFENのディスクジョッキーに女性の色香を漂わせた、声に特有の温かみを持つ女性アナウンサーがいました。まさに真空管アンプから流れる出る声でした。この声に似た持ち主を探し求めたのが、S盤アワーの今は亡き「帆足まり子」さんでした。


by mwainfo (2009-07-11 15:13) 

零

JJ製のEL34に換装されて戻ってきたようで、おめでとうございます。
音質の向上も得られたようで何よりですね。

エージングが必要とのことですが、出荷時に規定のエージングを済ませてありますから、家庭で使う場合は直ぐ使用しても、まず問題ないと思います。聴いていくうちに、A3500に合ったエージングが自然に進んで行くと思います。

その昔、放送局では新品の真空管に換装した時、使用する装置で100時間位の連続エージングを済ませた後、実戦投入していました。
これは、信頼性を重視する放送局ゆえの処置ですね。

ただ、真空管は電源投入後1時間位しないと動作が安定しません。1時間後に音質変化を伴うかどうかは分かりませんが、それでも聴いていて楽しい気持ちになります。

それでは、A3500の素晴らしい音質を堪能してください。毎日が楽しみですね。
by 零 (2009-07-11 20:57) 

空兵ーS

プリウスさん
こんばんは

真空管の音は、宝石とまで行かなくても
透き通ったガラス管の艶とフィラメントの光
をそのまま映し出しているようですね。
お奨めに従って、オーバーホールして本当によかったです。
ありがとうございました。
by 空兵ーS (2009-07-11 23:17) 

空兵ーS

駅員3さん
こんばんは

そういえば、現実のこの部屋はあまり訪れる人もありません。
どこか、私に拒むような所があるのかも知れませんね。
せいぜいこのブログ「ジャズ館」を通して、
皆さんと交流して行けたらと思っています。
by 空兵ーS (2009-07-11 23:20) 

空兵ーS

mwainfoさん
コメントありがとうございます

私は、音楽駄目、工作駄目、電気、機械駄目の少年時代でした。
それだけに、憧れは強かった気もします。
私にとって、人の声の暖かさやFMの懐かしさは、
特定の人とか時間ではなくて、もっと曖昧なものでした。
by 空兵ーS (2009-07-11 23:24) 

空兵ーS

零さん
こんばんは

慣らしというのは、すぐに分からなくてあるとき、急に分かるものなのかも知れませんね。音の抜けがよくなっていたりして・・・

真空管が暖まるまでの間がまた、待ちきれません。部屋にはいるととりあえずスイッチだけ入れておいて、もう一方のトランジスタアンプのシステムで音楽をかけるようにしています。
で、30分か一時間経ってから、真空管アンプのシステムに向かいます。やはり十分暖機した方が、おっしゃるように楽しくて音楽の乗りがよいように思えます。気のせいかも知れませんが。

今まで散々聞いてきたレコードやCDがまた今度のA3500でどんな風に聞こえるか、楽しみです。新しい発見があるような気がします。
by 空兵ーS (2009-07-11 23:38) 

SIRUBE

良かったですね
温かそうな音がこちらまで聴こえてきそうです
あとL-504は復活する予定はないですか?
by SIRUBE (2009-07-12 12:50) 

bigryu

ついに復活ですね。

真空管美しいですねー
カバー外して眺めながら、MJQの倍音を聴いてうっとりしたいです。
by bigryu (2009-07-12 18:24) 

空兵ーS

SIRUBEさん
こんばんは

暑い中での真空管、熱気がそちらまで届くかも知れませんね。
L-504はどうしましょうかね。
ヤフオクで動作するLUXの同じ頃のアンプを捜そうかな、
とも思っているのですが・・・
by 空兵ーS (2009-07-12 20:54) 

空兵ーS

bigryuさん
こんばんは

明かりが灯った真空管も美しいですね。
ふだんは安全のために、カバーを付けています。
カバー付けているところを写真で撮ると
真空管が檻の中に閉じこめられているようで嫌なんですが、
肉眼ではそんなことはありません。

真空管の響きは、本当にうっとりという表現がぴったりな気がしますね。



by 空兵ーS (2009-07-12 21:08) 

駅員3

空兵-Sさん、こんにちは。
私のblogにたくさんのコメントありがとうございました。
私も、そのうち自宅を建て直すか改築するときは、「自分のリスニングルームを作りたいな」なんて考えるようになりました。
そこで、豊かな音に囲まれて静かにブランデーなんかを味わえたら最高ですね(^^)v

by 駅員3 (2009-07-13 12:48) 

空兵ーS

駅員3さん
こんばんは

こちらこそいつもお世話になっています。
私のリスニングルームは元、農家の納屋だったところを改装したもので
ものすごく安普請です。ただ、独立した建物で母屋と少し距離があるので、音量を上げるとき、気を遣わなくて済みます。
ブランデーとはなかなか行きませんが、お気に入りのコーヒーを飲みながら、音楽を聞いています。
by 空兵ーS (2009-07-13 22:23) 

FUCKINTOSH66

おかえりなさーい!無事の復活、よかったですね♪
>真空管が音楽の砦を守って立つ傭兵のように見えます。
ほんと、そー見えますねぇ。なんか凛々しくカッコいい!

余談ですが、空兵さんの真空管の記事を拝見するたびに
ウチのマコトがボスを紹介したいって言うんですw
このボス、真空管を自作するのがとにかく大好きで
オフィススペースにはいくつも真空管が並んでるんですw
空兵さんと話したらきっと盛り上がるだろーなぁって。

by FUCKINTOSH66 (2009-07-13 23:55) 

空兵ーS

FUCKINTOSH66さん
こんばんは

ありがとうございます。半年ぶりの復活です。
こうして真空管の音に接してみると真空管独特の世界
というのがあるような気がします。

真空管、私はまだ入り口なんですが、いろいろと奥が深そうで
管の種類やメーカーの違いでもいろいろ音が変わるようです。
それぞれ特徴と魅力がありそうで、ボスさんのように
自分で作って、音楽のソースごとに使い分けられたら
最高ですね。
そんな世界を持っている人と接せられたら確かに楽しそうですね。



by 空兵ーS (2009-07-15 20:55) 

こちゃ

空兵-Sさん、こんにちは

私もA3500に同じ様な改造を行いました
やはり同じ様に、中域が分厚い太い曇った音からきれいな洗練された音になりました。

前のぶっとい音もある意味魅力的でしたが、現在の方が正しいのかなと思っています。

ところで、このアンプすごく熱くならないですか?
以前も割りと熱くなるアンプだったのですが、更に熱くなりました
シャーシも場所によっては、触れない位・・・

空兵-Sさんのはどうですか?
by こちゃ (2010-01-02 10:22) 

そらへい

こちゃさん
こんばんは

気づくのが遅くなって、今頃コメントの返信になってしまいました。
申し訳ありません。

同じような改造されて、よく似た音になったんですね。
確かに以前の分厚い音も魅力的でしたね。
細いきれいな音はトランジスタで慣れている面もあるのですが、
さすがにトランジスタと比べると厚みがあって艶がありますね。

真空管アンプは熱を持つものだと思っているので、熱さ確かめもしていませんし、ましてや触ろうとも思いませんが、電源を投じただけで
周りの空気が温まるのを感じますね。

by そらへい (2010-11-20 18:17) 

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