カセットデッキ [オーディオ]
この前の記事で真空管アンプの音を聞きながら、もうこれ以上何が必要か、と書いたまだ舌の根も乾かないうちに、我が部屋にまた一つ新たなガラクタオーディオが加わりました。今度はカセットデッキです。
今更ながらのカセットデッキなのですが、チューナーを買い、FMを聞くようになってから我がシステムに録音機器がひとつもないことが気になっていました。しかも、今や過去の遺物になりつつあるカセットデッキは、ヤフオクでは熱く安いのです。
もう10年ほど前のことになるでしょうか。友人が講演を聞いていたく感激し、その講演が録音されたカセットテープを貸してやるとうるさく言ってきたことがありました。その時、断った理由がカセットテープを再生する装置がないと言うことでした。
とっさに出たいいわけでしたが、ほんとうにその頃すでにわが家にはカセットテープ再生装置が一つもありませんでした。半分休眠状態のオーディオ機器の中で、DENONのDR-L2は壊れたままになっていました。
子供用にあったラジカセもいつの間にかCDラジオになっていましたし、車もCDでした。録音用としては、その頃カセットに変わってMDが普及しだしていたと思います。
若い頃にエアチェックしたたくさんのカセットテープもその頃処分したのだと思います。今から思うと惜しいことをしました。ジャズやクラシックの普遍的な曲はあとからCDやレコードでも聞けますが、FMの生放送とか、レコードを買うほどでもないけれど、当時流行っていた日本や欧米のポピュラー曲、けっこうエアチェックしていました。
ただ、全部捨てたつもりだったですが、捨て忘れていたのが別の場所で20巻ほど最近見つかりました。ほとんどがジャズとクラシックなのですが、ポピュラーも数巻ありました。30年から40年近く前のものです。これらのテープを聞いてみたいと言うのも、カセットデッキを買うきっかけのひとつになりました。
今更と言う思いと、回転系を伴う古い機器に対する不安があり、壊れても気にならない程度の金額のものに絞りました。ヤフオクでは、金額、人気ともに、ワンウェイ>オートリバース>ダブルデッキの順になっているようでした。便利さより音質なのでしょう。人気のあるものは古いものでも私には手が出にくい金額でした。
結局落札したのは、送料と変わらない落札額のダブルデッキでした。動作が保障されていましたし、ダブルデッキなら、片方が壊れてももう一方あると思いました。しかもこのデッキ、安いのにリモコンとマニュアルがついていました。
A&DのGX-W4500。いつごろのものでいくらしたものなのかまったく情報がありません。知らなかったのですがA&Dと言うのは今は亡き赤井電機と三菱電機が共同で起こしたブランドでした。活動期間は1987年から1991年と短い期間だったようです。
このデッキ、わが家に来たときは、落札金額が金額なのであまりきれいではありませんでした。軽く拭ってやると見違えるようになりました。筐体にはほとんど傷がありません。肝心の中身は、ピンチローラーとヘッドをアルコールをひたした綿棒で拭ったのですが、白い綿棒がすぐ茶色に変色するくらい汚れていました。
掃除を終えてAX1200のシステムに繋ぎ、まずFM放送を録音してみました。驚きました。カセットってこんないい音だったかと思いました。クリアできれいな音です。私の中ではカセットの音と言うと、こもったぼんやりした音と言うイメージがあったのですが。
次にCDから録音してみました。さすがに元ソース通りというわけではありませんが、目立って劣化が感じられないのには感心しました。録音というと、最近はほとんどCDRやハードディスクオーディオにコピーなので、音質の違いや録音による劣化に耳を澄ますのが妙に新鮮に感じられましたね。
次に最近見つかった古いテープを再生してみましたが、これが同じデッキから出る音かと思うくらいひどいものでした。まるでマイクで間接録音でもしたかのように音が遠くこもっていました。たぶん、古いテープの録音性能が悪く、かつこのデッキとの相性もよくないのだと思います。
GX-W4500はダブルオートリバースなので90分テープだと連続3時間録音再生が出来、FMの長い番組にも十分対応できそうです。このデッキで録音再生する限り、音は華やかで気持ちよいものです。その音を楽しむために、わざわざCDを録音したりして聞いています。これがAKAIのデッキの音なのでしょうか。
音も良いし値段も安く、かつボディもきれいなので、今のところ大満足なのですが、欠点は動作音が大きいことですね。音楽を味わう機器としてはあまりいただけない操作音がします。とくに演奏中、オートリバースでターンするときの音には慣れるまで時間かかりそうです。
通りすがりのものです。
ソニーとTDKのカセット、懐かしいですね。
私もエアチェックによく使ってました。
そしていまだに捨てられずに取ってあります。
70年代は、FMもモノラル放送でしたね。
AX-1200は、私も使ってます。
初めてシステムを組んだ、思い出のアンプです。
by たいへー (2009-07-31 22:34)
なんとも懐かしいカセットテープのラベルが並んでますね・・・いいですね^^
僕も結婚した時にずいぶんとカセットを処分してしまって後悔してますよ。
オートリバースの動作音、たしかにうるさいですね。ガシ!バシ!みたいな・・・
でも高校時代は憧れてました。
by なちゃ (2009-07-31 22:41)
リモコンとマニュアル付きは嬉しいですよねぇ♪見た目もすごい綺麗っ☆ 空兵さんのオーディオのお部屋、すごい充実ぶりですねっ。
我が家にはマコツの仕事用のカセットデッキが1台あります。(TASCAMとかゆうとこの古い型のですが)稀に古いカセット音源からCDやデジタル音源に焼き直すことがあるみたいです。
by FUCKINTOSH66 (2009-08-01 02:51)
楽しみが一つ増えましたね(^_-)
写真のTDKのテープのラベルには見覚えがあります
かなりの古さですね(^-^)
家にも結構高いカセットデッキがオーディオラックに鎮座していますが、使わなくなって久しいです。
古いテープの劣化も関係しているのでしょうね!
by 駅員3 (2009-08-01 08:43)
確かAKAIはオープンリールデッキを作っていたと思います。
相当昔のことなので記憶違いかもしれませんけど。
A&Dは知りませんでしたね~。
私もジャズ・フェスティバル等の実況録音を、
エアーチェックしたものがあるはずなのですが、
オープンリールデッキは高くて手がだせませんね。
by stone-9 (2009-08-01 09:40)
こんばんは、プリウスです。
ついにカセットデッキ購入ですか!
懐かしいカセットテープですね、私の家にも
沢山あります。音質は悪いのですが、当時の
思い出はギュッと詰まってます。
クロームテープは劣化が少なかったですよ。
by プリウス (2009-08-01 17:49)
カセットテープは非圧縮ですから(当然ですが)、
デッキの状態が良ければ、良い音で録音再生できそうですね。
カセットの写真、なつかしいです。
20数年前にタイムスリップしたようですね。
カセットの下のLP?も気になります。
私はカセットテープ、思い出がいっぱい?つまっていそうなので、
捨てないで取っています。
カセットデッキはナカミチのいちばん安いのがあるのですが、
壊れていて使えません。
まとまった時間があれば、修理したいのですが・・・
by ピカテントロプス (2009-08-01 18:09)
たいへーさん
お立ち寄りありがとうございます。
私も見つけたとき、このカセットハーフ懐かしかったです。
デザインからしてもかなり初期のものなのではないでしょうか。
エアチェック、デッキの前で息を詰めて待ってましたね。
AXー1200のお仲間は初めてです。我ががらくたオーディオの中では
比較的新しい部類なのですが、一度メーカーでメンテナンスしてもらっています。おかげで今も元気バリバリです。
by 空兵ーS (2009-08-01 18:22)
なちゃさんへ
こんにちは
皆さん、このカセットハーフのデザインには懐かしさを感じられているようです。たぶんかなり初期のものでかつ、普及したタイプなんでしょうね。
かつて持っていたDENONのデッキもオートリバースだったのですが、もう少し静かだった気がします。
かつての憧れの機器が、中古で安く手に入れられる今が有り難いです。
by 空兵ーS (2009-08-01 18:31)
FUCKINTOSH66さん
こんにちは
もっと高いデッキでもリモコン、取説無しが当たり前の世界で、ラッキーでした。
がらくたオーディオの再生するソースが増えてセレクター摘みが忙しく回転していますよ。
TASCAMはTEACの業務用製品のブランド名だと思います。かつてテープデッキというと、AKAI、TEAC、SONYでした。プロ用機器の虚飾を捨て機能に徹した作りにも憧れますね。
by 空兵ーS (2009-08-01 18:40)
駅員3さん
こんばんは
我が部屋のがらくたオーディオ、どんどん増殖中です。
カセットテープはそうとう古そうです。録音されているポピュラー曲を聴くと、「スリー・ドック・ナイト」があり、彼らが活躍したのは1970年代はじめです。
ほとんどの人たちのなかでは、カセットデッキはすでに役目を終えているのでしょうが、こうしてうん十年ぶりに復活する所もあるのが面白いですね。
古いテープも黴が生えたりするそうです。ところどころ音が不安定になるのはそのせいではないかと思います。
by 空兵ーS (2009-08-01 18:48)
stone-9さん
こんばんは
確かにAKAIはオープンリールデッキで名を馳せたメーカーですね。
2トラ38の名器があったような気がします。
その技術でカセットの世界でも優れた製品を次々に作ったようですが、その後のオーディオ界の展開に付いていけなかったようですね。
オープンリールデッキになると、おいそれと手が出せませんね。きちんとメンテナンスされた完動品はけっこういい値段が付いています。
私もいつかそのうち所有してみたいなとは思うのですが・・・・
by 空兵ーS (2009-08-01 18:53)
プリウスさん
こんばんは
ついにカセットです。ずいぶん長い間の不在でした。
便利さ手軽さのデジタル化の現在でも、十分に耐えられる存在であることに気づかされました。
残念なのは、思い出の詰まったたくさんのテープを処分してしまったことですね。
メタルテープは高くてあまり使っていなかったと思います。クロームテープを多用していたと思うのですが、いまとなっては・・・
by 空兵ーS (2009-08-01 19:52)
ピカテントロプスさん
こんばんは
押し寄せるデジタル化の中で、カセットはもう過去のものと思いこんでいましたが、久々に聞いてみてこんなに音が良かったのかと驚きました。
ナカミチを忘れていました。当時でも群を抜いて高級デッキでした。貧乏だったのでハナから対象外でしたが。
テープさえ残っていれば、ナカミチのデッキを修理に出してまた聞くことが出来ますね。きっと懐かしさがこみ上げてくると思いますよ。
ナカミチのデッキはヤフオクでもあまり出てこなくて、動作品はけっこうな値段がしています。マニアックでかついい音がするのでしょうね。
by 空兵ーS (2009-08-01 20:36)
愛機に対する愛情を感じます。
最近、オーディオ機器に対する愛情を感じるような文章を、オーディオ雑誌でも見かけませんもんねえ。
なつかしいテープのメーカー(TDK!)も久しぶりに見ました!
テープケースの背表紙?なんかにも、エアチェック当時は心血を注ぎましたねえ。
私はFMステーションの鈴木エイジン派でした。
by bigryu (2009-08-02 07:34)
カセットデッキ購入おめでとうございます(笑)
当時の自作ベストを聴くと恥ずかしくなります
メタルとかクロモリのテープが入手しづらいのが残念です
by SIRUBE (2009-08-02 11:37)
bigryuさん
こんばんは
エアチェックにはFMレコパルとか週間FMとか良く利用していました。FMステーションは後発で、私より若い世代に人気があったように記憶しています。
それらの雑誌には、ケースの写真なんかも付録になっていて、切り抜いて使ってました。2枚目画像のケース写真も多分そうだと思います。
当時はまめでしたね。今から思うとずいぶんかわいらしいことが
楽しみだったんだなぁと思います。あっ、今も変わりませんが。
by 空兵ーS (2009-08-02 21:21)
SIRUBEさん
こんばんは
ヤフオクではかつての名機が目白押しですね。
今回は値段と便利さでしたが、かつての名機も一台欲しくなります。
私も、多分その恥ずかしさのようなものに耐えられず、
廃棄してしまったのかもしれません。
その辺がレコードの保存と違うところですね。
カセットテープ、お店にあるのか心配しながら買いに行きました。
本当にあればよいという程度でしか並んでませんね。
by 空兵ーS (2009-08-02 21:27)