3月の始まりは雨 [オーディオ]
弥生、三月の始まりは春の始まりになってくれるのでしょうか。2月は、積雪こそありませんでしたが毎日のように雪がちらついて真冬並みの寒さが続きました。そんなある日、久しぶりの青空を背に桜の木を仰いでみました。枝の間が少し賑やかになってきているでしょうか。
桜の枝には、いたずらもののヒヨドリがとまっていました。桜が咲くと蜜を吸いにくるのですが、さすがにまだ硬い蕾では歯が立たないようです。
その代わりウソ(鷽)が丈夫そうな嘴で桜の新芽を啄ばんでいます。もっともこの桜は堤防沿いの桜並木です。食欲旺盛なウソもさすがに人家の裏までは来られないようです。
まだ冬枯れた畑の周りの空き地では、ツグミ(鶫)が今年ものんびり日向ぼっこをしていました。
しかし、3月の始まりはあいにくの雨でした。
三が日も過ぎて [オーディオ]
皆さん、改めて、あけましておめでとうございます。暮れの寒さから思うと比較的穏やかな日和の元旦だったように思うのですが、皆さんのところはいかがだったでしょうか。
ようやく2013年が明けたと思ったら、早いものでもう三が日も過ぎてしまいました。職場によっては今日から仕事のところもあるそうです。皆さんはお正月いかが過ごされたでしょうか。
私は、元旦の朝からお寺でした。晴れて気持ちのよいお天気だったので家の裏を通って歩いて行きました。風も思ったほどありません。しかし、足元を見ると、水たまりの表面に氷が張っていたり霜柱が立っていたり、朝方は相当冷え込んだようです。
我がお寺では、毎年元旦に檀家の皆さんが集まります。新年の挨拶を交わし、お神酒が出て形ばかりのおせちが並びます。私は去年の暮に役が当たって檀家の方々の接待役でした。実は数年前にもこの役務めているのですが、なにせ少ない檀家のこと、すぐ回ってきます。
1時にようやく開放されて、家で炬燵にあたりながら届いた年賀状などを見てゆっくり過ごしました。3時過ぎに近くに住む娘一家、続いて大阪から弟一家がやってきて、夜は我が家の新年会です。赤ん坊も入れると総勢9人の集まりは我が家としては珍しく大所帯、毎日だと大変ですがたまに賑やかなのもいいものです。
去年の春から小学校に行きだした姪のメグミはスーパーマリオのゲームに夢中で、私達へのお年玉リクエストもゲームソフトでした。8ヶ月になった孫は、最近人見知りが激しいのですが、この日は泣きもせず、みんなに愛嬌を振りまいていました。
オルトフォンMC20のある秋 [オーディオ]
ヒガンバナはすっかり枯れ果ててしまい、
甘い香りを放っていたキンモクセイの花も昨日と一昨日の雨で地面に黄色く点々と・・・
そして、青空の下、コスモスが咲き揃いかけてきました。
ブログをしていると、つい歳を忘れてしまうことがありますが、去年の今頃、私は珍しく腰痛を患って病院に行きました。その後、幸い悪化することも再発することもなく今日まで来ました。
ところが今年もこの時期になって、今度は膝に違和感を感じています。痛いと言うより、何か硬直した感じで曲げるときに強ばった感じがします。この感覚、今が初めてではありません。
私の周りの人たちが肩や腰、膝の痛みを訴えることがあっても、私は今までわりとそう言うことに縁のない方でしたが、さすがに60を過ぎるとあちこち気になるところが出てきました。
回りのお年寄りの方々が、動作の始めに大きな声を出したり、身体のあちこちの不具合を訴えておられたのを今更のように思い出します。膝の違和感は数日で消えそうですが、たぶん、こんなことを繰り返しながら、次第にその頻度が増し、やがて足腰は硬直化して弱っていくのでしょうね。
さて、寂しい話はそこまでにして、今日は久しぶりにオーディオ話です。我がオーディオシステムは自称G(がらくた)級オーディオなのですが、にもかかわらずこのところの深刻な資金難、どうしてもブログにアップする機会が減り気味です。
そんな中、最近の私のシステムの中では大きな変化になったのがオルトフォンのMCカートリッジの導入です。
オルトフォンは以前にVMS20というMMカートリッジを手に入れてその実力の片鱗のようなものは感じていましたが、やはりオルトフォンというとMCカートリッジが聞いてみたくなります。
この前に記事にしたデノンのトランスAU-320がデノンのカートリッジとオルトフォンのカートリッジをレバーの切り替えで対応出来ると知って、ますますオルトフォンのMCカートリッジ欲しくなってきました。
しかし、オルトフォンのMCカートリッジ、中でも伝説的な名器、SPUなどは高額過ぎてとても手が出ません。中古はリスクが大きそうですし、トランスからアーム、レコードプレーヤーとセッティングも難しそうです。
では、SPU以外の現行MCカートリッジはどうかというと、これまたSPUに劣らず高額揃いです。今回もG級オーディオらしく中古にしました。
入手したのはオルトフォンMC20です。かなり古い機種で1970年代の後半に発売されているようです。当時、国産の定番MCカートリッジがデノンのDL-103、こちらは輸入カートリッジの定番だったそうです。
このシリーズはⅡがあったり、SUPERがあったり、よく似た番号のMC10やMC30があったりします。どう違うのか詳しいことはわかりません。番号や値段設定から言ってこの中ではいちばん中庸的なモデルなのでしょうか。
ortofon(オルトフォン) MCカートリッジ MC☆20W MC STAR 20W MC★20W
- 出版社/メーカー: ortofon(オルトフォン)
- メディア: エレクトロニクス
MC20には同じ青色のボディを受け継いだ現行モデルMC★20wがあります。
MC20を聞いてみた感想なんですが、すぐに感じたのが音のなめらかさと柔らかさですね。音が豊かで、ふぁっと広がりながら細かな音も引き立てます。
オルトフォンMC20を聞いてから、デノンDL-103LC2を聞くと、ダイナミックレンジはDL-103LC2の方が広いのでしょうが、硬質に聞こえます。音の輪郭がはっきりしているのでこちらの方がモニター的と言えばよいのでしょうか、ともかく堅実にカチッとした引き締まった音ですね。
モノラルカートリッジのDL-102の良さは、骨太でしっかりした力強い音です。曲によってはそこが災いして、少しごりっとした感じに聞こえることもあるのですが、5.60年代のジャズにはよく合います。
MC20はとくにバイオリンとかチェロなどの弦楽器が素晴らしいのでクラシックに似合う気がします。もちろんジャズも十分こなしますが、エネルギッシュな演奏にはキャラクターが優しすぎるように思います。
DL-103LC2はトランジスタアンプのシステム専用になっているので、真空管アンプA-3500に繋がっているトランスAU-320にDL-102とMC20を繋ぐと、互いに得意な面を補完し合う組み合わせとして使えそうです。
真空管アンプA-3500に繋がっているマイクロのプレーヤーMR-411には通常DL-102が付いているので、聞くレコードによってMC20と取っ替え引っ返して聞いてます。いちいち針圧調整しないといけないので、煩わしく感じることがあります。
この煩わしさから逃れるためには、二本アームを用意して、それぞれのアームにDL-102とMC20を付けると解決するのですが、私のプレーヤでは取り付け不可能です。
二本アームが可能なプレーヤーを購入することは資金的にも無理なので、もう一台プレーヤーを増やそうかと思っています。実を言うと、以前使っていたビクターのフルオートのプレーヤーが押し入れで眠っているのです。
これをもう一度引っ張り出して、フォノケーブルをデノンのトランスAU-320に繋げば、レバーを切り替えることでどちらのカートリッジも使えます。
ただ、レコードプレーヤは場所を取ります。すでに二台あるレコードプレーヤー、さらにもう一台増えるとなると設置場所の確保に苦慮しそうです。
部屋の広さも資金も限りがあるというのに、オーディオの妄想だけはとどまるところを知りません。それどころか寒さがもう目前に迫ってきているというのに、まだ模様替えが始まっていません。私の部屋の扉は、臨時に設置したレコード棚にふさがれたままです。
今日のEはEthel Ennis(エセル・エニス)です。秋の夜更けにはボーカルが似合います。
お気に入りのMy Foolish Heartが見つからなかったので、Some Day My Prince Will Comeです。しっとりと歌い上げています。
梅雨明け~オリジナルレコード [オーディオ]
もう梅雨明けたんじゃないのと思いながらこの写真を撮ったのですが、その日に気象庁から近畿地方の梅雨明けが報告されました。
梅雨が明けると連日の猛暑、今年の天気はメリハリがはっきりしているようです。今日は予報通り久しぶりの雨、人にも畑にも潤いの雨になりました。
今日は、オリジナルレコードについてです。世の中にオリジナルレコードと呼ばれるレコードがあることは知っておりましたが、中古レコードとしては高額だったり、オリジナルの判定が難しそうな気がして、食わず嫌いで来ました。
もちろん、そんな私ですから自分の持っているレコードにオリジナルは一枚も持ち合わせていません。一度気になって、若い頃買ったブルーノートの輸入盤などもちょっと調べてみましたが、偶然にも入っておりませんでした。
詳しいことはわかりませんが、オリジナルレコードというのは、マスターからプレスされた最初の盤という理解でよいのかなぁと思います。プレスを繰り返すうち原盤がすり減ってしまい、レコードの品質が落ちてしまう。つまりオリジナル盤は摩擦による劣化が少ないので、原音により近いと言うことでしょうか。
オリジナルとそうでないものとでは、ソースの段階で差がついていると言うことなのだと思います。レコードがいくら新品でも摩擦が繰り返されて溝の輪郭がぼけていては、どれだけすごいオーディオシステムを持ってしても、原音に近づけないということでしょうか。
ですから人気のあるレコードでは、オリジナルだけではなく、オリジナルに近いセカンドプレス盤でも高い値段で取引されているようです。
いつも拝見しているtempoさんのブログではこうしたオリジナルレコードがよく紹介されています。また、作家の村上春樹氏もジャズのオリジナルレコードを蒐集されていると何かのエッセイに書いておられました。
よほどの人気盤はともかく、オリジナル盤がすべてべらぼうに高額でもなさそうなので、一度手に入れてみたいと思っていました。同じ手に入れるなら音質の違いを聞き比べしたいので、知らないレコードや手持ちでないレコードを買っても意味がありません。しかも高額になっても、そのレコードをもう一枚持っても良いと思えるレコードでなければと思いました。
また一口にオリジナルレコードと言っても、それぞれ定義があるようで、ブルーノートなどはわざわざ本が出ているくらい有名ですが、それ以外のレーベルではどうなんでしょうか。この辺、かなりマニアックな世界で、素人の私にはわかるよしもありません。
これが今回、オークションで手に入れたエマーシーのサラ・ヴォーン・ウイズ・クリフォード・ブラウンです。これなら国内盤も持っていますし、CDも持っています。今まで何回も聞いているので、聞き比べにはもってこいですし、このレコードならもう一枚加わっても文句はありません。
オークションでの紹介文は「両面Deep Groove有りスモール・ドラマー・ロゴのブルー・レーベル、初期オリジナル・モノラル・プレス。ジャケットは裏面が青文字印刷の初回ブルー・バック・ジャケット」とありました。落札額は、諭吉でわずかにおつりが来る程度、それが妥当なのかどうか。
ネットで調べるとエマーシーレーベルのオリジナルの判定にはいろいろ諸説があるようですが、このレコード、オリジナルもしくはそれに近いところにある物のようです。
ちなみに同じエマーシーのシリーズでヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウンのオリジナルレコードがどこかのウェブレコードショップで19万円で売られているのを見かけました。
オリジナル盤のレコードジャケットの方が、日本盤と比べて色あせています。タイトル文字の青い色も薄いですし、モノクロ写真も褪せて見えます。1954年録音ですから私より少し若いだけ、もうすぐ還暦なので仕方ないところです。
日本盤ではわざわざMONOと断っていますが、オリジナルの方は、一切クレジットがありません。このころはモノラルの方が当たり前だったのでわざわざ明記する必要がなかったのでしょうね。
さて、最初の試聴はもちろんモノラルレコードですから、マイクロMR-411と真空管アンプA3500、それにJBL4312Dの組み合わせです。
ただ、MR-411につけるカートリッジをこのところちょっと浮気してステレオカートリッジつけていたものですから、モノラルカートリッジのDENONのDL-102に交換です。
このカートリッジは自重が重いので、アームのバランスウェイトを交換しないといけません。この時期のマイクロのレコードプレーヤーMR-411やMR-611にはアームの傍らに、小物入れの収納庫がありました。
レコード周りのちょっとした小物を入れおくことができます。最初は底にスポンジが敷かれていたのですが、経年変化でぼろぼろになっていたので、代わりに白いスポンジを敷いています。購入時付属の金属製のバランスウェイトを取り出します。
左が金属製のウェイトで右がプラスチック製のウェイトです。形は全く一緒、材質の違いで重さを変えています。アームの錘の後ろにねじで取り付けるようになっています。
取り付けたところ。今回プラスチック製のウェイトをはずし、金属製のウェイトに交換してDL-102の針圧3グラムに合わせます。
まず最初に、国内盤を聞きました。久しぶりのDL-102だったせいか、そのしっかりした厚みのある音、聞き比べする前に引き込まれてしまいました。
セプテンバーソング、
ララバイ・オブ・バードランド、
アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー・アー・ノット・ザ・カインド、
ジム
とりあえず、A面だけの聞き比べをすることにします。初めに1974年日本フィリップス発売の国内盤を聞いてそれからオリジナル盤です。手に取ってみると国内盤は薄くてぺらぺらしていますが、1950年代、米エマーシーのレコードはさすがに厚みがあってどっしりしています。
レーベルの違いはこんな感じです。右がオリジナルの方です。センタースピンドルによるあたり傷がいっぱい付いています。ネットで調べると、オリジナルはレーベルの周りに白い縁取りがあると書かれていましたが、どうなんでしょうか。
音のに違いはさて、どうなのでしょうか。針をおろします。どんな音が出るのか緊張の瞬間です。
確かに国内盤に比べると、ベールが2.3枚はがれたような感じですね。音のエッジが立っています。とくに高域がよく出ていて、音が全体に鋭い感じ、低音も輪郭がしっかり聞こえます。ダイナミックレンジが広がった感じです。
今まで聞いていた国内盤は音が丸くて、ベールを被った音で、音が丸いまま全体に固まって聞こえてきます。耳あたりは良いのですが、ちょっと締まりのないもこもこした音と言うことになります。
太く厚みのある耳慣れたサラ・ヴォーンの声がもう少し細く鋭く聞こえます。ピアノの音は見違えるようにくっきりしますし、クリフォード・ブラウンのトランペットのハイノートはさすが、圧巻です。
レコード全体は、モノラルMCカートリッジをしても、始終低いノイズが載っていました。しかし、その音は音楽の邪魔をするものではなく、音楽の向こうから聞こえてくる静かな雨音のようです。なんとなく昔のジャズ喫茶を思いだしました。
次にもう一方のシステム、DENONのDP-57LのプレーヤーにDENONのステレオMCカートリッジDL-103LCⅡ、トランジスタアンプYAMAHA,AX-1200、CELESTION3の組み合わせで聞いてみました。
こちらで聞くと、音をひとつひとつ分析的に聞くより、より全体的なとらえ方ができた気がしました。オリジナルレコードの方が音楽が生き生きして聞こえます。古いレコードなのに鮮度があがった感じです。
その後、カートリッジを変えたりスピーカーを変えたりといろいろ組み合わせを変えて試しているのですが、聞けば聞くほどオリジナルの良さが伝わってきます。生き生きとして音楽を伝える力、訴える力が違いますね。オリジナルを聞いてから日本盤を聞くとただだらっと音楽を流しているだけに聞こえるから不思議です。
ほかにも不思議なこととしては、組み合わせによってスクラッチノイズがほとんど気にならなくなることがあると言うことです。
それにしても、こうして聞き比べするともう日本盤は聞けないですね。tempoさんがオリジナルレコードに嵌っておられるのもわかる気がしました。
ある意味、オリジナルレコードを聞くと、自分のオーディオシステムがグレードアップするともいえます。そうやって考えればもっとも手軽で簡単なグレードアップ方ともいえないこともありません。
ただ、だからと言って、私の持っているレコードをこれからすべてオリジナル盤に変えていくのは、費用の面でも労力の面でも現実的ではない気がします。
結局は費用対効果ですね。よい音で聞くに越したことはないけれど、オリジナル盤は希少で高価です。せめてお気に入りの数枚でもオリジナル盤、あるいはそれに準じた物が持てれば幸せというところでしょうか。それにしてもヘレン・メリルウィズクリフォード・ブラウンが19万とは。
今日のCは当然、我がアイドルClifford Brown(クリフォード・ブラウン)です。
失敗~セレッション100 [オーディオ]
セレッション100についての失敗談、前回(1月13日)更新したときに続きをにおわせておきながら、更新がのびのびになって今頃になってしまいました。もっとも、誰ももう覚えていないとは思いますが(笑)
セレッション3とかぶってしまったとはいえ、そこは定価約4倍の高級機、音の緻密度、分解能、広がり感などはやはり違いがあります。期待感からすると満足度7.8割くらいな感じで、セレッション100を聞いていました。
不満の2.3割の内容は、ツィーターの音質が、私が求めていたイメージより硬く感じられることと、緻密なだけにセレッション3に比べて気楽に聞けないところ、そして外見的なことなのですが、両ツィーターに凹みがあることでした。
とくにツィーターのアルミ表面の凹みは、実際音にどれだけ影響があるのか定かではありません。サランネットを被せていれば気にならないはずなのに、妙に気になってしまうのでした。
その心理の裏には、少し前にセレッション3のツィーターの凹みを自分で直していると言う意識があったと思います。セレッション100はセレッション3と同じシリーズです。外観も似ていることから構造も似ていると想像できます。
音質については、セッティングや他の機器との組み合わせくらいでしかいじれませんが、外観の手直し程度なら私にもできそうな気がしてきます。
おまけにどこのスピーカーでもそうなんでしょうが、サランネットをはずすとスピーカーユニットを留めるねじが正面から丸見えになっています。いかにもここをはずせばユニットにアクセスできますよ、と言わんばかりです。
いつの間にか、私はやたらストロークの長いねじを六角棒レンチではずしていました。しかし、中を開けるとツィーター回りがセレッション3にはなかった黄色いパテのようなもので覆われているのが見えました。その粘っこい粘りを見た瞬間、これはやばいと即座に元に戻しました。
この判断は賢明だったと思います。しかし、物事の判断でやめると言う選択は、何事も無かったと言う意味で正しいだけで、物事が解決することにはなりません。
時間が経っても、ツィータの凹みは当然そのまま、しかも私の心のどこかが凹んでいるみたいに忘れることができません。それどころか時間が経ったと言うだけで、これと言った成算もないのに何とかなるような気がしてきます。
ある日、再び六角棒レンチを持ってユニットをはずしにかかっていました。重くて強烈なマグネットの引きと粘つくパテ状のものに煩わされながら、凹んだアルミドームの裏側に手を入れて、凹みを押して元に戻します。
そこまでは何とかなりました。しかし、パソコンでもバックアップよりレストアが大変と言うように何事も壊すより組み立てる方が大変です。スピーカーも例外ではありませんでした。
値段の違いがそこにも反映しているのか、構造的にも100のツィーターは3に比べるとずっと複雑でした。しっかり元に戻すにはいったんすべてをばらしてから、一つ一つ組み直していかないといけないのではないかと思いました。
しかし、ツィーターの構造も原理も知らない私には手に負えそうにありません。とりあえずその場でできることをして何とかむりやり戻しました。
それで、セレッション100のツィーターの手強さはわかったはずなのに、私はもう一方の左チャンネルのスピーカーのツィータの修復にも取りかかりました。今度は二度目なので手際よく作業できましたが、組み立て方は我ながら本当にそれでよいのと言うレベルのものでした。
これで見た目はツィーターの凹みも収まって満足いくものになったのですが、音を出してみると不安が的中しました。高域が左チャンネルからしか聞こえて来ません。やってしまったと思うとかっと体中が熱くなりました。
もう一度、右チャンネルのツィーターを開腹、しかし、焦ったせいか事態は修復するどころか更に酷いことになってしまいました。粘つくパテがそこいら中にくっついて、細いエナメル線もどこかへ飛んでしまってます。深みにはまってしまったようです。
せっかく買ったスピーカー、よく考えるとまだあまり聞きこんでいません。しかもこのセレッション100、私が中古で買ったスピーカーの中では高価な方です。このままにしておくには惜し過ぎます。
仕方ないので、ネットで調べて、ツィーター修理の経験のあるスピーカー修理専門店を探して修理依頼を申し込みました。こちらです。「スピーカー修理工房軽井沢」
電話するとすぐ送ってくださいと言うことだったので、全く音がしていない右チャンネルを送りました。結果は予想通りひどいことになっていると言われてしまいました。
専門的なことはわからないのですがスピーカー修理工房軽井沢さんがおっしゃるには「ボイスコイルの縁が折れ曲がっていたりボビン径が変形している。磁気回路スリットに合わせないで組みたてたようです」と言うことでした。
初め一ヶ月近くかかると言われましたが、思ったより早い2週間ほどで右チャンネル、戻ってきました。ツィーターの表面は金属のため多少皺のあとのようなものが残っていますが、凹みは解消しています。そして、肝心の音はちゃんとクリアに出ました。
これで一安心のはずなのですが、実は右チャンネルを修理している間、左チャンネルをセレッション3と聞き比べていました。確かに音は出ているのですが、どうも出力が弱いように思えました。
帰ってきた右チャンネルをセットして、改めてモノラル再生してみたら、やはり高音だけ右寄りに聞こえます。
右チャンネルと同じ直し方をしたのですから、むしろ音が出ていたこと事態が奇跡だったのかも知れません。スピーカー修理工房さんで再び左チャンネルも直してもらうことにしました。こちらはもっと早く治って帰ってきました。
助かったのは、初めの一台は見積もり高かったのですが、左チャンネルは程度がましだったと言うことで安くしてくださったことです。結局、両チャンネル合わせると、スピーカーユニットの修理としては妥当な値段に収まりました。
ツィーターの凹みも目立たなくなり、音もちゃんと出るようになったセレッション100は、その後機嫌よくわが部屋で鳴っています。やや硬質でメリハリのある高音は、クラシックの弦楽器で気になるものの、ジャズやロック、ポピュラーでは魅力的です。
真空管アンプにも繋いでみましたが、やはりトランジスタアンプの方がこのスピーカーに合うような気がします。音の明瞭さや空間の広がり感がはっきり出て、とくにロック系は快感ものです。その音を味わいたくて、今までよりポピュラーやロックを聴くことが多くなってしまいました。
これは当時の我が部屋の情景です。このあとも模様替えはままならず、物のみがどんどん増殖して、今では更に酷い状態になっています。
実はこのあと、ようやくお気に入りのツィーターを手に入れるのですが、それを披露する前に、なんとかこの部屋の状態を改善させ、すっきりさせた姿でお披露目したいと思っています。さてそれがいつになるやら、今は何をするにも、まず部屋を整えてから・・・と言う答えが自分に返ってくるこの頃です。
今日のCはCHICK COREA(チック・コリア)です。チック・コリアというと「リターン・トゥ・フォーエバー」なのですが、それは以前に取り上げているので、今日はGARY BURTONとの共演で有名なCRYSTAL SILENCEです。
ECMの透明感のある音と、音楽がマッチしていました。5.60年代ジャズの次を予感させ、70年代、ジャズ喫茶でもよく取り上げられてました。キース・ジャレットやポール・ブレイはもうすこしあとだったでしょうか。
MCトランスその後 [オーディオ]
ここのところ孫や古い本、お寺や畑の話などが続いています。これで今回、田植えのレポートでもしてみたら、このブログが元々はジャズとオーディオのブログであったこと、すっかり忘れられてしまいそうです。それどころか「えっ、そうだったの」と言う声も聞こえてきそうです。
調べてみたら、オーディオネタは今年これでようやく二度目です。前回は1月だったので半年近いブランクがあったことになります。それなりに積もる話もありますし、アクセス数もオーディオネタは伸びるのはわかっているのですが、なかなかまとめ切れないでいました。
いっそ一足飛びに現状を報告した方が手っ取り早く済んで良いようにも思うのですが、それではせっかくのオーディオネタが一回で種切れになってしまいます。
ここは手間でもゆっくりと順序を追ってはじめていくことにします。まず、ちょうど一年あまり前に書いたMCトランスの記事にあったDENONのMCトランスAU-320がその後半年ほどで壊れてしまいました。片チャンネルしか音が出なくなっていたのです。
ま、画像だけで中古電気製品を取引するオークションではままあることです。私は幸い今まであまりひどい目にあってはいません。今回も到着した時点で、チェックしていたのですが、元々DENONのモノラルカートリッジDL-102用に使用していたものですから、故障に気づくのが遅れてしまいました。もちろんクレーム出来る時期をとっくに過ぎていました。
一応中を開けてみましたが、当然のこと、素人にはわかるよしもありません。ただ開けてびっくり、あまりの煙草の匂いに辟易しました。前の持ち主、相当の喫煙家だったようです。
私もつい4.5年前まではヘビースモーカーだったのですが、そう言う人間に限って他人の煙草の匂いに必要以上に敏感だったりします。念のため、オークションの商品説明を見てみましたら、ちゃんと喫煙環境と明示されていました。
ただ、このトランス、届いたとき見た目ももう一つでしたし、アース端子の接続がいい加減で、はじめハムがありました。ま、それくらいは自分で直せたのでノークレームで済ませたのですが。
すぐに買い直す余裕もなく、モノで聞く分は支障ないだろうとそのまま聞いたり、YAMAHAのプリアンプC6のMCヘッドアンプを使ったりしていたのですが、ようやく資金のめどがたったのでMCトランス買い直すことにしました。
買い直すにあたっていろいろ試行錯誤がありました。モノラルカートリッジに接続することはわかっていたので、モノラル専用カートリッジなども物色したのですが、皆さんはやりお高いですね。
いずれにしても我G(がらくた)級オーディオシステムのバランスから言って、MCトランスにあまり高額なものは似合いません。あるオーディオショップで見つけた格安トランスが、オルトフォンのモノラル専用ST-M25でした。
しかし、オルトフォン専用(たぶんSPUなど用)なのか、いまいちDL-102に合いません。音が優しく大人しすぎて、モノラル独特のあのゴリっとした力強さがさっぱり聞こえてきません。これはいつになるか知りませんが、SPUを使うときまでとっておくことにします。
次の候補としては、すでにもう一方のシステムで使用しているDENONのDL-103用に開発されたAU-305あたりが、価格、球数の多さ、安定感という点でぴったり来るのですが同じものを二つ揃えるのも芸がありません。
他に国産でもFRとかDENONの高級機、LUX、entre、それにオルトフォンなどがオークションに出てくるのですが、いずれも値段が折り合いません。今や珍しいアナログ再生専用で、しかも最近の新品はべらぼうに高い物が多いので、古くてもそう安くならないんでしょうね。
いろいろ迷ったあげく、やはり使い勝手が良くて、球数も多く、価格もこなれているAU-302に再挑戦することにしました。
このトランスの特徴は、40ΩのみのAU-305と違って3Ωと40Ωが切り替えられます。3Ωはオルトフォン、40ΩはDENONと言う使い分けが出来ます。しかも入力系統が二つあるので、使い道がいろいろと膨らみます。
前回オークションで失敗したので、オーディオショップで買うことも検討しました。オーディオショップなら最低限動作確認しているでしょうし、1年保証も付いていたりします。ただ安心料もあってかその分価格もオークション落札価格より1万円ほど高めです。
こういう事態を想定して初めからオーディオショップで買っておけば良かったのですが、今更オーディオショップで買い直して、この中古MCトランスにトータル4万円も使うのは何となく納得できません。
で、再びオークションにしました。今回は慎重に選びました。その結果、皮肉なことに前回の落札価格を下回ったにもかかわらず、届いたものは以前のものより外観がきれいでした。もちろん動作に何の支障もありません。
左側の写真が前回落札したAU-302です。右側の写真のAU-302と比べると、ビスの色の違いがわかると思います。左はビスの頭が茶色くさび付いていますが、右側は何とか錆を免れて、銀色に光っています。これで、このまま動作し続けてくれれば、2つ分合わせてもショップで買った金額とさして違わないことになって自分でも納得です。
今のところ、調子よく使えています。出来れば、このシステムを発展させてこのあとオルトフォンのMCカートリッジを手に入れるとか、もう一台眠っているレコードプレーヤを出してきて、余っているチャンネルを利用しようかとかいろいろ夢を膨らませているのですが、その前に、いい加減部屋を片づけないと、置くものも置けません。
今日のCは、COLEMAN HAWKINSです。たぶんこのジャケットが気に入って買ったのだと思います。KEYNOTE JAZZ SERIESのうちの一枚で、ほかに同じシリーズでレスター・ヤングの物を一枚持っています。
演奏は1944年と古いものですが、楽しめるジャズですね。コールマン・ホーキンスのテナーも良いですが、ロイ・エルドリッジのトランペット、テディ・ウィルソンのピアノもいいですね。
矛盾~セレッション100 [オーディオ]
ついこの間、クリスマスだ、年末だと騒いでいたのが、ようやく年が明けたと思ったら、もう正月も半ば、今更ながら時が過ぎゆく速さに驚かされます。
正月の楽しさも子供の頃がいちばん楽しくて、大きくなるにつれ面白くなくなってきて、お年玉をもらう方から与える方になってくると、憂鬱の方が大きくなってきたりします。
でも、正月も年々面白くなくなってきたなぁと思っているうちはまだましで、還暦を過ぎた今年、私はこんな年末年始の騒ぎや感慨も、あと何回味わえるのだろうなんて思うようになってしまいました。
さて、オーディオの記事が去年の記事「身近な秋」以来滞ったままです。その記事でセレッション100のことを予告しておきながら、そのままになっています。今日は、その顛末の報告に重い腰を上げようかと思います。
この話には大きく分けて少なくとも二つの失敗談があるのですが、まずは最初の一つ、購入の経緯からです。
前回の記事でご報告したとおり、セレッション3の密閉型とバスレフ型を3台手に入れて、すっかりセレッションファンになった私です。ただ、その後も飽きたらずにオークションを閲覧することがありました。
狙いはクラシック、とくにバイオリンをきれいに鳴らしれくれるスピーカーです。前から真空管アンプと合うタンノイを考えているのですが、オールドタンノイはどれも値段が高くて私には手に負えません。
そこで、タンノイと同じかそれ以上に歴史があると言われる同じイギリスのスピーカーメーカーのセレッションはどうだろうかと思いました。
もちろん、セレッション3でセレッションと言うスピーカーメーカーの素性の良さはわかっています。ただ、このセレッション3はどちらかというとロックやポピュラー向けに開発されたものです。
クラシック向きのセレッションはそれよりもっと前に開発されたものが合いそうです。オールドセレッション、玉が少ないせいか意外と人気があり、タンノイほどではないにしても、そこそこの値段で落札されます。
何度か落札し損なって苦い思いをしたある時、オークションにセレッション100が送料込みの即決価格で出ているのを見つけました。セレッション100、あまり聞いたことがない型番ですが、価格は何とか私が手を出せるぎりぎりです。即決、送料込みの条件が、妙な焦りを生んで、気が付いたら入札のボタンを押してました。
即決価格だったので、入札=落札です。ここから私の第一の失敗が始まります。落札してから調べてみると、セレッション100はオールドセレッションと言うには新しくて、1992年頃のものです。しかも、なんとセレッション3と同時期、同じシリーズの上位機種と判明しました。
お気に入りのセレッション3と同じシリーズなら間違いなかろうと思うのですが、ここで私は自己矛盾に苦しむことになります。つまり、セレッション3を気に入って、程度の善し悪しをのぞくと3セットも持っています。今後もこのシリーズをポピュラーのメインとして使い続けていくつもりでした。
そこへ上位機種のセレッション100がやってくると、普通に考えればセレッション100の方が良いことになります。何せ値段で四倍の差があります。と言うことは、3セットもあるセレッション3が無駄になってしまいます。かといって、もしセレッション3の方が良かったら、今回の落札が失敗と言うことになってしまいます。
届いたセレッション100は3と比べて大きく重く、マホガニーを使ったボディはシックで高級感があります。20年経っているのでそれなりにボディに小傷なども付いているのですが、まっさらよりそれくらいの方が歴史を感じさせて私は好きです。
ただ、ボディの小傷は気にならないのですが、ツィーターに凹みがあるのが気になりました。もちろんそのことはオークションでも報告されていたのですが、片方だけと思っていたら両方凹んでいました。
肝心の音の方はと言うと、最初に聞いたのがモーツァルトのディベルトメントでした。さすがに値段が高いだけあって、音の緻密さがセレッション3とは全然違いましたね。弦の重なりが高級レンズで撮った鳥の羽根のように、一枚一枚くっきり聞き分けられるようで感動しました。
その後、ソースを変えたりオーディオの組み合わせを変えたりしていろいろセレッション100を確かめました。セレッション3でも真空管に繋ぐよりトランジスタアンプに繋いだ方が良かったので、しばらくはYAMAHAのAX-1200に繋いで聞いていました。
聞き慣れてくると、やはりセレッション3と同じシリーズにあるだけに、私が狙っているクラシックの弦はちょっと硬めに聞こえることがあります。もちろん3の高域より緻密で品があるのですが、ごまかしがないだけによけいに高域の硬さが際だって聞こえます。
音の一つ一つのクオリティや分解能では100の方が上ですが、音楽全体のバランス、聞きやすさと言うことだと、安い3の方が優れているように思えるのです。
ただポピュラーやロックなどはほれぼれするほど気持ちよく鳴ります。このスピーカーで、ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、ジョーン・バエズ、などを立て続けに聞きましたが、音が空間に広がって、ステレオのセパレーションも最高で本当に気持ちよくなります。日本の歌謡曲などもこういうスピーカーで聞くと、見直してしまいます。
試しに真空管に繋いでみてもやはりこのスピーカーの傾向は変わらなくて、柔らかい真空管を通しても高音は硬めに聞こえます。私はそれほどロックを聴く方ではないのですが、このセレッション100を真空管アンプでドライブしたら、ロック好きの人はたまらないのではないかと思いますね。セレッションは今もロック用ギターアンプのスピーカーユニットで有名です。
私のねらいとしては、普段はセレッション3で何でも気軽に聞いて、ジャズをちょっとまじめに聞こうとするときはJBL4312D、クラシックを聴くときはセレッション100と使い分けたかったのですが、どうもこのままではセレッション100と3の棲み分けが曖昧になります。
これは困ったことになったなぁと思いながら、当分は手に入れたばかりのセレッション100の音を楽しんでいました。ある日のこと、サランネットをはずして聞いてみたとき、ふとツィーターの凹みが気になってしましました。音にどれほどの影響があるのかわからないのですが、わずかな染みのように気になるのです。
さて、ここから第二の失敗に発展していくのですが、その顛末は長くなりすぎるので次回に譲ろうかと思います。
今日のBは唯一持っているベン・ウェブスターのSOULVILLE・・・ビッグ・ベンの朗々たるテナーもさることながら、ハーブ・エリスのイントロ、オスカーピーターソンの絡まるピアノがたまりませんね。
身近な秋 [オーディオ]
ようやくさわやかな季節になってきました。腰痛も癒えて、しばらく沈滞気味だった気分が、季節にあと押しされるように活動的になってきましたが、オーバーペースにならないように気をつけています。
いつの間にか、柿も色づいてきました。今年は豊作のようです。但し我が家の柿、あまり甘くなくて、誰も食べません。赤く熟して甘くなった頃、ようやくカラスやムクドリが突っつきに来ます。
アキアカネとナツアカネの区別は付きませんが赤とんぼなら間違いなし
9月末頃から秋を告げる鳥、モズがケタケタとあまり可愛くない声で鳴き始めています
春の陽気に似ているのか、蝶が舞っていて、水辺、ミゾソバのモンシロチョウは印象的でした
一転、画像はさわやかな秋の様子から、むさ苦しさの極みのような我が庵に変わります。
こちらが我が部屋の現在のスピーカー構成です。一見、南側の壁一面がスピーカーに埋め尽くされているように見えますが、ブログ仲間のプリウスさんのお部屋に比べると、まだまだかわいらしいものです。
JBL4312D、スキャンダイナA-25MK2を中心としたシステムは大して変わっていないのですが、以前あったタンノイE11が引っ込んで、変わりにセレッションが幅をきかすようになりました。
写真で見るとわかりにくいのですが手前にある三つのスピーカーは皆同じセレッション3です。いちばん右端、スピーカースタンドに乗っているのがセレッション3密閉型です。こちらは普段聞きのスピーカーとして現在メインになっています。奥のJBLコントロール1の出番がめっきり少なくなりました。
手前低い位置にあるのが、セレッション3mk2でバスレフ式です。これはビビリが出るのでサブシステムとして、現在はテレビにアンプを繋ぎ、外部スピーカーとして使っています。
テレビは、先日のアナログ終了に伴って、廃棄されたものをもらってきました。アンテナを繋がずDVDやビデオ再生だけに利用するのでかさばる以外は問題ありません。ただ、初めてスキャンダイナを繋いで「アマデウス」を見たときほどの感激はありませんでした。もっともまだ1.2回しか利用していませんが。
このスピーカーの下にサランネットがなく、ユニットがむき出しになっているセレッション3があります。こちらはジャンク品を部品取りのつもりで落札したのですが、未だに活用されていません。サランネットは初めから無くて、右チャンネルのツィーターのカバーもありませんでした。凹みは自分で直せましたが、左チャンネルのウーハーの出力が小さいようです。
さて、メインのセレッション3の奥によく似た形のスピーカーがあります。実はこれもセレッションで型番はセレッション100です。このスピーカーの入手経緯とその後の失敗談はそれだけで一つのテーマになりそうなので、また今度お話ししようかと思います。もちろんインプレッションもです。
この一年というか、半年ほどでこんな風になってしまいました。出来たらもう少しシンプルにすっきりした形で聞きたいのですが、まだまだ若くて気が多いそらへい、実年齢相応に落ち着くまで今しばらく時間がかかりそうです。
それより今はこれらのシステムをもっと聞きやすく、かつ配置しやすくするために、部屋の模様替えをもくろんでいます。
部屋のあちこちにオーディオ以外の物がたくさんありますが、それらを隣の部屋に移動し、この部屋を出来るだけオーディオ専用の部屋にしたいと思います。もちろん元々オーディオ専用の部屋ではないので、壁は安い合板、天井も低く、とてもオーディオルームとは言い難いのですが、ゆとりを持ってスピーカーが配置できれば、少しは音も今よりよくなるかも知れません。
何とか年内に済ませたいと思っているのですが、隣の和室にいろいろな物が放り込まれているので、まずそちらを何とかしないとところてんを押し出せません。
初めの写真と少しだぶりますが、家の回りの身近な秋を写真に撮ってYouTubeにアップしてみました。お時間の許す方はごらんになってください。
我が青春のカートリッジ [オーディオ]
地蔵盆を終えて元の静けさにたたずむお地蔵さん。今はこのような建屋が建てられて、参拝者がくつろげる場所もありますが、私が子供の頃は雨よけの小さな屋根があるだけでした。
剥き出しの地蔵さんの姿は、どこが顔で身体かわからない灰色の石の固まり、顔とおぼしきところは綿でくるまれ全身は着物を着せられていました。私は、子供の頃その姿が怖くて仕方ありませんでした。
お地蔵さんの上に子供たちが遊ぶグランドがあって、ここを通らないとそこへ行けません。それでいつも出来るだけ見ないようにして走り抜けるのですが、帰り道はいつも夕暮れ、なぜか不思議と怖いもの見たさでつい見てしまうのでした。
今日は久しぶりにオーディオネタ、若い頃使っていたカートリッジのお話です。初めて買った単品コンポーネントのレコードプレーヤー、マイクロMR-411に付属していました。
こちらがそのマイクロのMR-411に付属したカートリッジマイクロM-2100です。
標準で付いていたのは安い方のM-2100/5でした。マイクロが出していたいちばん廉価なカートリッジです。それでも定価ベースではシュアーのM44Gより高かったんですね。
このプレーヤーを買った時は勤めたばかりの頃、当然お金も無くて、カートリッジを交換して聞き比べするなんて贅沢なことを考えるのはずっと後の話でした。
とりあえずマイクロMR-411とプリメインアンプのLUX、L-504を揃えて、スピーカーが買えるようになるまでヘッドホンで聴いていました。
スピーカーが揃い、チューナーなども買い足してステレオとしての体をなすのに2、3年かかったのではないでしょうか。それから、もっと値段も品質も高いアンプやスピーカーに買い換えてレベルアップしていくことをオーディオの世界ではグレードアップと言ってました。
しかし、数年かけてようやく揃えたセットをそう簡単に買い換えられません。これでも私としては、精一杯の組み合わせでしたから、さらに高い機器の導入はほとんど考えられませんでした。
もちろんカタログや広告を見てあれこれとグレードアップの夢は見ていましたが、何せ鳴らす部屋が4.5畳とか6畳のアパートの一室でしたから、夢を見るにも自ずと限界がありました。
私のような貧乏人でも、比較的安価でしかも簡単にグレードアップというか音の変化が楽しめるとなると、カートリッジの交換が関の山でした。
当時でもMCカートリッジの優位性は言われていましたが、カートリッジの値段も高い上にトランスも必要だったりして私には敷居が高過ぎました。やはりお手軽なMM式になります。もっともMM式の中でも当時一番人気だったシェアーV15タイプⅢは高級すぎてとても手が出ませんでした。
交換を楽しんだカートリッジは、いずれも1万円未満の製品でした。ADC、オーディオテクニカATー10d、シュアーM44G、フィリップス400あたりだったと思います。
音の善し悪しもわからずに、ただいつまでもプレーヤー付属のカートリッジを使っていることが、オーディオマニアとしては、沽券に関わることに思え、勇んで交換したように思います。
そのせいかどうか、M44G、フィリップス、オーディオテクニカは手元にあるのに、プレーヤー付属のこの赤いM-2100/5だけが今は手元にありません。
今持っているのは、最近、ヤフオクで見つけものです。高額でもなかったので懐かしさに落札してしまいました。入手したのは、M-2100/eの方です。違いは交換針が楕円針と言うことだけのようです。
本来なら、現在MR-411に取り付けているDENONのDL-102をはずして、オリジナルのマイクロヘッドシェルH-77Nにこのカートリッジを取り付けるべきなのですが、取り付けねじを舐めてしまい、DL-102がはずせなくなってしまったので、予備に買ってあった同じマイクロのヘッドシェルH-202に取り付けました。
音の感想は、思ったよりしっかりした力強い音で驚きました。これなら何もシュアーM44Gに交換しなくても良かったのではと思うくらいです。
私の記憶ではもう少しクラシック向きの繊細な音という印象があったのですが、クラシックでも弱々しくはないですね。グレースの8Lの方が細く聞こえます。
もちろん、ボディの赤い色も覚えていないくらいですから、このカートリッジを聞いて懐かしい音がしたなんてことはとても言えません。
なお、スピーカーのスキャンダイナA-25MKⅡも繋いで、初めてステレオを揃えた頃の音を再現してみたかったのですが、プリメインアンプのLUX、L-504が壊れたままのため、残念ながら実現することは出来ませんでした。
YouTubeはこの頃よく聞いていたマイルス・デイビスのマイルストーンズです。
セレッション3(密閉式) [オーディオ]
梅雨が例年よりかなり早く明けて、暑い夏がかなり早くやってきました。早い夏の訪れに身体が付いていかず、熱中症で倒れる方が増えているそうです。私も何となくついて行けない思いでいましたが、先週の日曜、早朝から河原での草刈り奉仕があり、思いっきり汗をかいたら、ようやく夏モードのスイッチが入ったような気がしています。
そんな私ですが、じつは梅雨のさなかの6月頃からすでに熱中症にかかっています。もっともこちらは軽いのか重いのか、入院すれば治るのか治らないのか、オーディオの話、以前から何度も登場しているセレッション3と言うスピーカーについてです。
ウーハーの擦れによるビリ付きを、たまの現象と気にしないように聞いておりましたが、やはりヤフオクなどできれいな状態のセレッション3を見つけると落札したくなっていました。
20年ほど前の製品ですが、人気のあった機種らしく、けっこう中古で出回っています。値段も十分にこなれていて、修理するより買い換えの方が安くあがります。やや及び腰気味に入札してみるのですが、これがなかなか落ちません。
そんなある日のこと、いつも行く中古店のジャンクコーナーで、なんとセレッション3を見つけました。音は出るそうですが、ジャンクの理由は片方のウーハーのセンタ-キャップが取れてしまっていることでした。
値段は回りの国産同程度のジャンクスピーカーと比べて倍以上高めでしたが、ヤフオクのジャンク品と同程度、送料がかからない分安そうです。
手にとって背面を見やると、バスレフポートがありません。これは私が持っている後期型とは違って、初期の密閉型セレッション3のようです。
サランネットも汚れてめくれ上がり全体的に埃っぽい印象です。すぐにこのスピーカーをばらしてウーハーを取り出し、今持っているセレッション3mkⅡのウーハーと交換して、二つで一つの完璧なスピーカーをこしらえる案が浮かびました。(同じ型とは言え、密閉式とバスレフ式のウーハーを単純に交換して良いのかという疑問は残りましたが)
左が以前から持っているmk2でバスレフポートの穴が開いています。
このスピーカーを家に持ち帰るためのお金の算段の話は、それだけで一つのブログテーマになりそうなドラマがあるのですが、またいつも貧乏話に終始してしまいそうなので割愛します。
ともかく持ち帰って音出しです。アンプに繋いで出てきた音は、やはりセレッション3の音、センターキャップの無いことが音に与える影響、私の耳ではわかりませんでした。
それより前から持っているバスレフ式のセレッション3MK2と聞き比べての音の違いの方が気になりました。高域はほぼ同じに聞こえるのですが、バスレフと密閉の違い、低音にはっきりした違いが聞き取れました。
元々、出力音圧レベルも違うので全く同じ条件で聞き比べが出来るわけではないのですが、密閉型のセレッションを聞いてから、バスレフのセレッションを聞くと、何となくバスレフの方が音が丸く聞こえ、かつ低音がブーミーに聞こえます。
私は、昔のステレオシステムのイメージが残っているのか、量感はあってもボン付くような低音は好きになれません。いかにも安っぽいステレオの代名詞みたいに思えるのです。ラウドネスなどもほとんど使いませんし、低域をトーンコントロールでブーストすることもありません。
中古店で買った密閉型のセレッション3は、さすがに低音の量感は控えめですが、全体的に無駄のない引き締まった音です。そして何より、センターキャップがないにも関わらず、例のアート・ペッパーやリー・モーガンのCDを聞いても、ベースの音がビビリません。何も気にすることなく、音量を上げてのびのびと音楽が聞けます。
店頭のジャンクコーナーで薄汚れていた筐体も、磨いていやると、けっこうきれいになりました。サランネットの埃と汚れを取り、めくれ上がっていたところを張り直してやると、以前から持っているセレッション3mkⅡに見劣りしません。
問題はセンターキャップが取れていることです。サランネットをかけたままにしているかぎり、見た目ではわからないのですが、自分にはウソをつけません。ネットで調べたら、ぱーつ屋「BIGTIME」というところが紙製のセンターキャップを通販していたので取り寄せました。
さすがに専用センターキャップなのでしっくり収まりました。一方は柔らかいゴム製、こちらは薄いけれどゴムほど柔軟性の無い紙製、特性が違うと思うのですが、センターキャップなしでもわからなかった私の耳に違いがわかるはずもありません。
だいたい、センターキャップというのは音にどれくらいの影響を与えるものなのでしょうか。セレッション3の場合、正常な方のウーハーを見ると、センターキャップはエッジと同じ柔らかく薄いゴムで出来ていて、入力があると微妙に振動しています。ドーム型になっているところからしても、全く音に関係ないことはなさそうです。
ネットでセンターキャップの役割を調べてみるんですが、あまり積極的にその役割を解説している記事がありません。別名がダストキャップと言われるくらいで、埃の侵入を防ぐのが目的で付いているのだそうです。
もう一つわからないのがツィーターのドーム部分の凹みです。こちらはウーハーのセンターキャップよりは音に影響ありそうですが、それにしても聞き分けられるのでしょうか。振動するところ?が凹んでいると言うことは、音が微妙に歪んでいるのでしょうね。また見た目、気になる存在でもあります。オークションなどでもこの部分が凹んでいるだけで、ぐんと値段が下がります。
今回のジャンクセレッション3、ウーハーの消失したセンターキャップばかり気になってましたが、ツィーターも少しだけ凹んでいたのでした。ウーハーのセンターキャップを直したついでに、思い切って中を明け、ツィーターの凹みを内側から押すと案外簡単に治りました。
実は、この行為があとで重大な結果を引き起こすことになるのですが、その話はまた長くなるので次の機会に譲ろうかと思います。
左が以前から持っているセレッション3MK2、真ん中がセンターキャップを修理したセレッション、右はその片割れです。密閉式とMK2の違いは、正面から見ると、celestion3のエンブレムの色がわずかに違うだけですね。この上からサランネットをかけると、当たり前ですが何もわかりません。
今では、MK2の方はウーハーの擦れを直すために横倒しになったまま休んでいます。変わりに中古ジャンクで買った密閉型セレッション3が、メインとなって日々、気持ちよく鳴りつづけています。